35話 ページ35
＊
「俺は広場に行くがお前はどうする。」
轟は意外だと思った。出会って1週間足らずだがAという人物は正義感溢れる仲間思い(口はかなり悪いが)だと認識していた。だから他のゾーンを見て回るのだと予想していたのだ。轟はAに他の奴らが心配じゃないのかと尋ねた。
「心配してないわけじゃないけど俺らが戦ったのがこのレベルだ。大概行けるだろ。で、お前は？」
「広場に行く。」
轟の答えを聞いて走り出そうとしたとき、Aはふとこの場にもう1人誰かがいるような気がした。カメレオンの個性か、姿は見えないが気配はする。突っ立ったままのAに轟がどうかしたのかと少し離れた場所から声を掛けた。Aは間を開けて先に行ってろと返す。轟は疑問に思ったがこの状況でAが意味の無いことをやるとは思わなかったので気をつけろとだけ残して広場へ向かった。
「そこにいるのは誰だ。」
「わ、私！葉隠です！」
思ったより近くから声が聞こえAは驚いた。轟が来たときモヤは2つ出現したいたが葉隠だったのかと。
「ずっと近くにいるのに気付かなかったからこのまま置いていかれるのかと思ったよ。」
「ごめんね、でも声かければ良かったのに。」
「無理だよ！？あんなに殺伐とした雰囲気の中入っていけないって！」
心当たりがないわけではないAは言葉を濁した。葉隠は轟と共にワープしてきたあと2人の傍にいたのだ。悲鳴をバックミュージックに巨大な火柱を見たときは地獄にワープしてきてしまったのかと現実逃避をしたがその後すぐに凍った火柱にクラス最強が2人もいるところで良かったと安心していた。もしや気付かれていないのではと声を掛けようとした矢先に始まった口喧嘩に入り込めはしなかったが。
「名字くんは広場に行くんだよね。本当は私も行きたいけど名字くんのスピードに着いていけないし先行って。」
葉隠が思い出すのは初日の個性把握テストだ。50メートル走で共に走った2人の間には差が開いていた。
「残念だけどそれはできない。伏兵がいるかもしれないからね。」
「でも早く行かなきゃ危険な敵がそこにいるってさっき！」
「嫌かもしれないけど、横抱きか後ろどっちがいい？」
「へ」と固まったのは葉隠だ。Aの目は真剣だった。裸同然の葉隠と密着するのはどうかと思うけれどとAが付け加える。他のゾーンから聞こえる戦闘音に、恥ずかしがっている時間はないのだと葉隠は覚悟を決めた。
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緑猫(プロフ) - 東雲さん» 大変遅くなりました…！コメントありがとうございます！そろそろ続編解禁ですね。不定期更新ですが気長にお待ちいただけると幸いです (2020年5月10日 20時) (
レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - お話の方とても面白かったです！続編の方楽しみに待ってます。 (2020年4月28日 17時) (レス) id: 69e2a17ecb (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - カナデさん» ご指摘＆コメントありがとうございます！申し訳ございません、修正させていただきました。飄々とした子を目標としているのでそう捉えられていてニヤニヤしております。不定期更新ですので気長にお待ちいただけると幸いです (2020年3月14日 21時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 23話が２つあって、24話が抜けてますよー笑。夢主くんかっこいいですね！いつも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年3月14日 16時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 黒武さん» ご指摘＆コメントありがとうございます！あまりのいい加減さに自分でも吃驚しています…修正させていただきました。お気に入り登録とても嬉しいです！！続編は50話まで解放した後下書きを外しますのでお待ちください！ (2020年3月5日 5時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2020年1月10日 16時
