33話 ページ33
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「土塊…土砂災害のコーナーか。奥に見えんのは倒壊ゾーン。はー、初日に勝己と校内図読んでて良かったぜ、これが校内と呼べるのかは知らねェけど。」
「ンっにを余裕振りやがってこのガキィ！！」
頭に血が上り大振りになってきた敵の拳を屈んで避け、伸びきった腕をスルリと伝い敵の腹に手をあてた。ひ、と情けない声を出す敵をAは掌から炎を出して火達磨にする。
「余裕振ってんじゃねェ、実際余裕なんだ。雑魚共。」
赤子の手をひねるかのようにいとも簡単に大の大人を倒したヒーローの卵に敵たちは1歩下がった。倒れた敵には目もくれずAは簡単な誘導で馬鹿正直に一塊になってくれた集団に右手を向ける。
今の台詞はちょっと恥ずかしいかもしれないと内心反省しながら。Aだって魔の中学生を終えたばかりなのだ。そういった(所謂イタイ)発言が出てしまうのは可愛いものだと目を瞑ってほしい。命のかかった場ではあるが、だからこそ自分が有利であるとそうなってしまうものだ。常闇辺りなら分かってくれる筈だとAは黒い鶏冠を思い浮かべる。
「そんじゃあちょっくらBBQと洒落こもうか。」
大災害と見間違えるような巨大な火柱が上がり、土砂ゾーンは一瞬にして火災ゾーンに変貌した。
「っ！！」
そのとき再び宙に2つのモヤが現れ、敵の援軍かと悲鳴をバックにAがそちらを向くとそこから赤と白の見慣れた紅白頭が出現する。着地を決めた轟は嫌でも目に入る巨大な火柱に目を丸くして反射的にその柱を今出せる最大出力の氷で覆った。
「…何してんの？」
自らの炎を封じ込められたAは味方に化けた敵かと構える。轟は右頬に霜を下ろしながら呆然としていた。自分で自分の行動＿＿味方の邪魔をした行動＿＿が信じられなかったのだ。何も言わない轟にAは流石にイラッとくる。
「聞いてんのか紅白頭。今どういう状況か分かってんの？お前の"食わず嫌い"に付き合ってる暇はねェんだ。」
「ぁ……名字…悪ぃ、そうじゃねぇんだ、お前の邪魔をしたかったわけじゃ……」
どこか調子のおかしい轟にAは眉を上げたが残念ながら構っている暇はない。余程"炎"が嫌いなのだろうとAは内心で舌打ちをしながら、しかし親にバレた悪事を誤魔化す言い訳を探しているような轟にそれ以上キツくは言えずやり場のない怒りを凍ってしまった敵の1人に小さな炎を近付けることで解凍しながら抑えた。一体何の目的で侵入したのか聞き出すためだ。
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緑猫(プロフ) - 東雲さん» 大変遅くなりました…！コメントありがとうございます！そろそろ続編解禁ですね。不定期更新ですが気長にお待ちいただけると幸いです (2020年5月10日 20時) (
レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - お話の方とても面白かったです！続編の方楽しみに待ってます。 (2020年4月28日 17時) (レス) id: 69e2a17ecb (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - カナデさん» ご指摘＆コメントありがとうございます！申し訳ございません、修正させていただきました。飄々とした子を目標としているのでそう捉えられていてニヤニヤしております。不定期更新ですので気長にお待ちいただけると幸いです (2020年3月14日 21時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 23話が２つあって、24話が抜けてますよー笑。夢主くんかっこいいですね！いつも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年3月14日 16時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 黒武さん» ご指摘＆コメントありがとうございます！あまりのいい加減さに自分でも吃驚しています…修正させていただきました。お気に入り登録とても嬉しいです！！続編は50話まで解放した後下書きを外しますのでお待ちください！ (2020年3月5日 5時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2020年1月10日 16時
