26話 マスコミ乱入事件 ページ26
＊
「あれ、爆豪は？」
昼休み。家を出る前に母親から受け取った弁当箱を手に同じくお弁当仲間の蛙吹と昼食を食べようとしていた耳郎は珍しく1人のAに驚いた。まだ入学して数日で漸くよく話すクラスメイトの顔と名前が一致してきたばかりだが爆豪とAが常にセットなのは既にクラスの認識下にある。その爆豪の姿がなく、1人自席でお弁当箱を広げかけているAは耳郎の目にとても珍しく写った。
「今日は俺が弁当だからね。勝己は食堂だよ。」
尋ねてから耳郎は自分が大してAと話をしたことがないことに思い出し、馴れ馴れしすぎたかと気恥ずかしくなったがAは気にした様子もなく弁当箱を胸の前まで持ち上げてみせた。あ、そうなんだ。そのまま次に続く会話のネタが思いつかず耳郎は視線を彷徨わせる。
見兼ねた蛙吹が自身の弁当箱を端に寄せて一緒に食べないかと誘う。良いの？と目を丸くさせたのはAだ。女の子は同性同士で話したいものではないのかと。中学時代、昼休みになると女友達を引き連れてAの席に遊びに来ていた芦戸のことは置いておく。
「ええ、みんなで食べたほうが楽しいもの。良いかしら？響香ちゃん。」
「もちろん。」
ありがとうと笑顔になったAはぐるりと教室を見回し、教室の隅で1人お弁当の開封作業に徹している八百万に目をつけた。耳郎と蛙吹にアイコンタクトを送り、人差し指と親指で丸印を貰ったAはそのまま弁当箱を持って八百万の席に近付く。
「八百万、良かったら一緒に食べない？」
「！よろしいんですの…？」
「はは、俺と同じ反応。」
推薦で合格した八百万は戦闘訓練での第1戦の講評もあり、なかなか誰かと一緒にいることができなくなっていた。同じ推薦入試者の轟は馴れ合いなど必要ないと全身からオーラを放っており話しかけられず、他の面々が所謂仲良しグループを作っていく様子をただ見ているだけしかできなかったのだ。
Aの指す方には耳郎と蛙吹が椅子を並べて2人を待っていた。おいでと手招きをしてくれる耳郎に八百万は目を輝かせる。実はAが蛙吹に誘われているのを見ていた八百万はAに小さくお礼を言った。
「お礼を言うのはこっちのほうさ。ハーレムありがとう！」
にっこりとわざと離れた耳郎たちにも聞こえるように言ったAに八百万は「ふふ」と笑いを抑えきれなかった。気にするなと茶化してくれているのだ。楽しそうに蛙吹がケロケロと笑った。
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緑猫(プロフ) - 東雲さん» 大変遅くなりました…！コメントありがとうございます！そろそろ続編解禁ですね。不定期更新ですが気長にお待ちいただけると幸いです (2020年5月10日 20時) (
レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - お話の方とても面白かったです！続編の方楽しみに待ってます。 (2020年4月28日 17時) (レス) id: 69e2a17ecb (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - カナデさん» ご指摘＆コメントありがとうございます！申し訳ございません、修正させていただきました。飄々とした子を目標としているのでそう捉えられていてニヤニヤしております。不定期更新ですので気長にお待ちいただけると幸いです (2020年3月14日 21時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 23話が２つあって、24話が抜けてますよー笑。夢主くんかっこいいですね！いつも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年3月14日 16時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 黒武さん» ご指摘＆コメントありがとうございます！あまりのいい加減さに自分でも吃驚しています…修正させていただきました。お気に入り登録とても嬉しいです！！続編は50話まで解放した後下書きを外しますのでお待ちください！ (2020年3月5日 5時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2020年1月10日 16時
