21話 ページ21
＊
「さて、今回のベストは誰だったと思うかな？」
戻ってきたBグループとIコンビをクラスメイトたちが労る。先の試合(緑谷たちの試合)とは違い、大きな怪我もない。Aは尾白と葉隠を両サイドに置き、両手から程よい温度の火を出していた。Iコンビの2人は焚き木にあたるかのように手を差し出している。
オールマイトの質問に生徒が口々に轟の名前を口に出す。しかしAと轟は違った。
「障子。」
「名字だ。」
Aは障子を、轟は名字の名前を出したのだ。こればかりは音声がないと轟一択になるだろうとオールマイトは苦笑いをした。ベストが轟ではないと言ったAと轟に芦戸がなんで？と尋ねる。轟はオールマイトをちらりと見て話し出した。
「今回の作戦を立てたのが名字だったからだ。名字はこの訓練を訓練として捉えず、あらゆる面から様々な考察を行い俺1人での単騎突入を決行した。名字(コイツ)がいなくても俺は同じことをしただろうが、そこまで考えが及ばなかったと思う。」
「名字少年は？」
「このシチュエーションなら障子が要だからです。複製腕で広範囲の索敵・諜報が可能だから例え通信機がない現場で万が一単独行動をしている轟に何かあっても障子さえいれば異変に気付けるし、屋内に潜伏している敵がこっそり外から応援を呼んでも中に入る前に潰すこともできる。」
Aが話し終えると21人いるモニタールームは静まり返っていた。誰もそこまで考えていなかったからだ。これには第1戦目で饒舌に語っていた八百万も声が出なかった。ぐ、と集団の最後尾で爆豪が拳を握る。
Aと轟の言い分は確かにそうだった。しかしこれではベストが絞れない。なぜならBグループは誰か1人が欠けていればこの作戦は実行できなかったからだ。どう纏めるのかと生徒たちの目がオールマイトに向けられる。オールマイトは見事なAによる采配に本当に1年生かと身分証明書の提出をしたい気分だった。冗談抜きでAの考えは実戦経験のある"それ"だ。
「うん、よく考えられているね！チームの力を余すことなく上手く使ったとても良い作戦だ。今回のベストは＿＿Bグループ全員でどうだろう！」
異論を唱える者は誰もいなかった。
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緑猫(プロフ) - 東雲さん» 大変遅くなりました…！コメントありがとうございます！そろそろ続編解禁ですね。不定期更新ですが気長にお待ちいただけると幸いです (2020年5月10日 20時) (
レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - お話の方とても面白かったです！続編の方楽しみに待ってます。 (2020年4月28日 17時) (レス) id: 69e2a17ecb (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - カナデさん» ご指摘＆コメントありがとうございます！申し訳ございません、修正させていただきました。飄々とした子を目標としているのでそう捉えられていてニヤニヤしております。不定期更新ですので気長にお待ちいただけると幸いです (2020年3月14日 21時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 23話が２つあって、24話が抜けてますよー笑。夢主くんかっこいいですね！いつも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年3月14日 16時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 黒武さん» ご指摘＆コメントありがとうございます！あまりのいい加減さに自分でも吃驚しています…修正させていただきました。お気に入り登録とても嬉しいです！！続編は50話まで解放した後下書きを外しますのでお待ちください！ (2020年3月5日 5時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2020年1月10日 16時
