3話 個性把握テスト ページ3
＊
「名字オメー何してんだよ！」
指示された更衣室で着替えるAは同じく着替え途中の切島に背中を叩かれた。何とは勿論遅刻のことだ。興味のない轟を覗いてこの場にいるほぼ全員がAの返答に耳を傾ける。
「ひったくり捕まえて小学生見送って個性の暴走止めてた。」
「あー。」
「タイミング悪かったなあ、お疲れさん。」
個性発現後、個性絡みの事件事故は後を絶たない。ここにいる中にもそれに遭遇したことがある者はいるのだ。察したように肩を小突いたのは肘からテープを出す個性の瀬呂範太だった。初めての顔にAは一瞬固まったがサンキュと笑う。話しかけやすそうな態度のAに瀬呂も笑って返した。
「おいテメェAか。」
和んだ空気を斬り裂いたのは真面目そうな眼鏡の生徒、飯田天哉に机に足をかけるなと注意されていた爆豪勝己だ。再び何か起こすのではないかと飯田を初めとした数人が身構える。しかしそんな彼と幼馴染の緑谷はやっぱりそうなんだと嬉しそうに目を細めた。
「久しぶりじゃん、お前もA組かよ。」
「やっぱりここ受けてたんか。」
「当たり前だろ。」
右手を上げ振り下ろしたAに周囲がエッ！？と驚くが爆豪は戸惑いもせず最初から打ち合わせていたかのように右手を振り上げた。パァンと乾いた良い音が更衣室に響く。両者の赤い目が交じり合い、そして同時に更衣室の外へ歩き出した。
「個性把握…テストォ！？」
グラウンドに出たA組の生徒を待ち受けていたのは入学式もガイダンスも吹っ飛ばした個性把握テストだった。中学生の頃に行った個性禁止の体力テストとは異なり個性を使用しても良い体力テストだ。ザワつく生徒たちを横目に相澤は手元の端末を見る。
「敵ポイント1位は…爆豪か。爆豪、中学の時ソフトボール投げ何メートルだった？」
「67メートル。」
呼ばれた爆豪はAの隣にいた。ボール投げの円の中に入り獲物を投げ渡されると"思いっきり"を要求される。ちらりと振り返りAに挑戦的な目を向けると軽く準備運動をし爆豪は先を見つめた。
「死ねえ！！！」
球威に爆風を乗せヒーロー志望とは到底思えない掛け声と共にボールは705.2メートルを舞った。物騒な言葉に周囲は引きつつも凄まじい勢いに目を見開く。
「なんだこれ！！すげー面白そう！」
騒ぎ出すクラスメイトたちを無視して爆豪はただ一点を見つめていた。Aはやるじゃんと口パクで返す。爆豪の口角が上がった。
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緑猫(プロフ) - 東雲さん» 大変遅くなりました…！コメントありがとうございます！そろそろ続編解禁ですね。不定期更新ですが気長にお待ちいただけると幸いです (2020年5月10日 20時) (
レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - お話の方とても面白かったです！続編の方楽しみに待ってます。 (2020年4月28日 17時) (レス) id: 69e2a17ecb (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - カナデさん» ご指摘＆コメントありがとうございます！申し訳ございません、修正させていただきました。飄々とした子を目標としているのでそう捉えられていてニヤニヤしております。不定期更新ですので気長にお待ちいただけると幸いです (2020年3月14日 21時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 23話が２つあって、24話が抜けてますよー笑。夢主くんかっこいいですね！いつも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年3月14日 16時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 黒武さん» ご指摘＆コメントありがとうございます！あまりのいい加減さに自分でも吃驚しています…修正させていただきました。お気に入り登録とても嬉しいです！！続編は50話まで解放した後下書きを外しますのでお待ちください！ (2020年3月5日 5時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2020年1月10日 16時
