19話 ページ19
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「定石通りならここで作戦を立てるが…要らねぇな。」
第2戦目。ヒーロー側のA、轟、障子VS敵側の尾白、葉隠が開始してすぐにAたちは顔を付き合わせて手短に各々の個性の情報交換をしていた。積極的に話さない障子、轟とコミュニケーション能力の高いAが揃ったこのグループでは自然とAが会話の指揮を取る。Aの言葉にどういう意味かと障子が複製腕から問うた。
「敵は核兵器を所持している。どこに置かれているか分からない以上、建物に強い衝撃を与えるのは愚策だ。またこれは訓練だが"本番を想定した訓練"であるため、もしも人質がいればを考慮すると時間いっぱい使うのは命の保障ができない。核持ってるような連中だ、人質がいないほうがおかしいだろ。」
多分そこまで初回の授業で求められてないとは思うけど、とAは付け足す。しかし轟と障子はAの言い分に納得していた。
「ならどうするんだ？」
「轟がビルを丸ごとシャーベットにする。そうすりゃ敵の弱体化かつ核の暴発防止がいっぺんにできるってわけだ。」
お前ならできんだろ。Aの赤い2つの瞳に見つめられて轟はなぜか逸らしてはいけないと本能的に感じた。
だが6階建てのビルは決して小さくない。この作戦は轟がビルを丸ごと凍らせられることが大前提だ。確かに轟は氷の中に閉じ込めろというわけでないのであれば一瞬でできるが、一切の迷いもなくニホンウサギを彷彿とさせるこのクラスメイトは己をここまで信じているのだろうか。"なぜか"話すと喧嘩になってしまうため轟は聞けなかったがちょうど同じことを考えていた障子がAに尋ねる。Aの答えは至ってシンプルだった。
「体力テストが終わってもまだ余裕ありそうだったから。」
「！よく見ていたな。」
「は？全員見てるわ。お前だけじゃねえよ。キメェ。」
「そうは言ってないだろ。」
「待て落ち着け。」
普通に会話をしていた筈が気付けば舌戦になりかけていたAと轟を障子が間に入って止める。除籍のかかったテストでよくもまあ他人の個性を観察する余裕があったものだと障子は感心半分呆れ半分で溜息をつく。Aの順位は2位と高かったがいきなり除籍処分と言われて身構えたりしないのだろうか。
少し経ってもう良いだろうと障子の体が2人の間から抜ける。遮蔽物がなくなった轟の目に映ったのは、己には目もくれず障子の複製腕を興味津々といった様子で眺めるAの姿だった。
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緑猫(プロフ) - 東雲さん» 大変遅くなりました…！コメントありがとうございます！そろそろ続編解禁ですね。不定期更新ですが気長にお待ちいただけると幸いです (2020年5月10日 20時) (
レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - お話の方とても面白かったです！続編の方楽しみに待ってます。 (2020年4月28日 17時) (レス) id: 69e2a17ecb (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - カナデさん» ご指摘＆コメントありがとうございます！申し訳ございません、修正させていただきました。飄々とした子を目標としているのでそう捉えられていてニヤニヤしております。不定期更新ですので気長にお待ちいただけると幸いです (2020年3月14日 21時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 23話が２つあって、24話が抜けてますよー笑。夢主くんかっこいいですね！いつも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年3月14日 16時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 黒武さん» ご指摘＆コメントありがとうございます！あまりのいい加減さに自分でも吃驚しています…修正させていただきました。お気に入り登録とても嬉しいです！！続編は50話まで解放した後下書きを外しますのでお待ちください！ (2020年3月5日 5時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2020年1月10日 16時
