12話 ページ12
＊
「名字、お前入学早々クラスメイト怒らせたのかよ。」
轟が教室を出てからコソッと話しかけに来たのは更衣室でAを労わった瀬呂だ。心配そうに、しかし少し咎めるような声色の瀬呂は面倒見が良いのだろう。Aは教室の端の方で固まっている女子の群れの中に席の持ち主を見つけて立ち上がった。
「いんや？」
「いんやてお前なぁ…轟(アイツ)は推薦入学者だぞ。フツーに宣戦布告受けてたけどバリ強ぇからな。」
「それにNo.2のエンデヴァーの息子だろ！？軽率だったんじゃねーの？あ、俺上鳴電気。よろしくな！」
「なになに自己紹介タイム？」
「爆豪だっけお前よくあの空気の中耐えられたなー」
上鳴を皮切りに集まってきたクラスメイトたちにAは「男が群れんな囲むな暑苦しい」と言おうとしたがそれより先に爆豪が口を開いた。
「うっせぇ寄んな集まんな！！」
似たもの同士だ。
轟が来るまではAと普通に会話をしていたのを見ていた数名は、あれは名字限定だったのかと気付いた。吠える爆豪に声も掛けずAは女子たちの方へ歩いていく。砂藤が爆豪(コレ)放置かよ！？とAに問うがAは人畜無害だからと適当に返事をした。俺は農薬かと爆豪がキレたのは言うまでもない。
「ごめんね、席借りてた。」
子犬の如く八の字に眉を下げるAに女子数人が顔面の暴力…と顔を覆った。中学3年間で慣れた芦戸がAって結構喧嘩っぱやいんだねと声を掛ける。その口元は少し引き攣っていた。
「そんなことねぇよ。あんなモンだろ。」
「ウチの子をそんな風に育てた覚えはありません！」
「俺も育てられた覚えがねぇな。」
Aと芦戸の素早いレスポンスに麗日が知り合いなのかと問い、芦戸が同中だよーと間延びしながら答えた。知っている中学生の男女間の距離ではないため八百万は仲がよろしいのですねと口に片手を当てて微笑んだ。美人の微笑みにAは一瞬惚けた。
「自己紹介がまだだよな。俺は名字A、君たちの名前を聞いても？」
口角を上げながら小さく傾げたAの白髪がサラリと揺れる。後方で血涙を流して女に囲まれやがってと叫ぶ峰田が言い方が悪いと委員長気質の飯田に注意されていたがAはガン無視した。
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緑猫(プロフ) - 東雲さん» 大変遅くなりました…！コメントありがとうございます！そろそろ続編解禁ですね。不定期更新ですが気長にお待ちいただけると幸いです (2020年5月10日 20時) (
レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - お話の方とても面白かったです！続編の方楽しみに待ってます。 (2020年4月28日 17時) (レス) id: 69e2a17ecb (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - カナデさん» ご指摘＆コメントありがとうございます！申し訳ございません、修正させていただきました。飄々とした子を目標としているのでそう捉えられていてニヤニヤしております。不定期更新ですので気長にお待ちいただけると幸いです (2020年3月14日 21時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - 23話が２つあって、24話が抜けてますよー笑。夢主くんかっこいいですね！いつも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年3月14日 16時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
緑猫(プロフ) - 黒武さん» ご指摘＆コメントありがとうございます！あまりのいい加減さに自分でも吃驚しています…修正させていただきました。お気に入り登録とても嬉しいです！！続編は50話まで解放した後下書きを外しますのでお待ちください！ (2020年3月5日 5時) (レス) id: 3889cacc49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緑猫 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?
作成日時：2020年1月10日 16時
