巳波の双子の姉は作曲家(アイナナ×うたプリ) (ページ20)

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結局、言われるがままににして
事務所に入って行くと
いつの日か、
見たことのあった人を見かけた。

…あの時の。

了:あっれ～？
もう知り合い？ってか友達かな～？

「あ、いえ…」

『誰？愛人か何か…あ。』

うわぁ…
今愛人って言ったな！？
私が、こんなやつの(おい)、
愛人！？あり得ないね！！！

って言うか、
この社長、愛人連れてきたことあるの！？
んなわけ。

『この前会っただけ。
ってか何でここにいんの？』

それはこっちが聞きたい。

了:事務所に捨てられた
可哀想な天才ちゃんを拾って来たよ～

(捨てっ…拾って…！？)

了:で、話は聞かせてくれるんだよね？

あぁ…余計なこと言ったなぁと
今更後悔。

「私、元々カルナイの
作曲家だったんですけど…」

同期だったもう1人の
作曲家のフォローに入ってと言われて
渋々スタリについている傍ら、
元々から続けていたBGM等の
多方面の仕事を続けていた。

しかし、フォローに入っていると
どんどんその子から仕事を奪われた。
忙しいでしょ、って。

カルナイの時の方が忙しかったから
別に苦じゃなかったし、
寧ろ楽しんで受けていた。

勿論、反論もしたし
続けたくて議論した。
そして、社長にも談義した…。

という事を話しているうちに
段々と思い出して
抑えようと思っていた気持ちに
少し熱が入ってしまった。

了:でも、見捨てられちゃった。
社長は白羽Aではなく…
七海春歌を選んでしまった。

何処からの経緯で
彼女の名前を知っているのか
知らないけれど
まさにその通り。
気付きたくなかった。

折角出来た、
自分の場所だったのにって。

大好きな居場所が無くなって
人がいなくなるこの感覚は
もう味わいたくなくて
認めたくなかった。

月雲さんの、
言葉のままだった。

『白羽Aって…あ！！！』

了:そーう！
紹介した、彼女の事！

『そういう事じゃないけど、
とりあえず話聞いて合点した。』

全く何のことだか分からない。
しかも紹介した…って、何？
以前会った時にそんな短時間で
紹介する要素あった！？

了:それよりーこれ、見ない？

リモコンを操作すると、
盛大な音楽番組が行われていた。

それは普通なら
ごくごく平凡な変哲も無い
音楽番組…だった。

「うたプリ……アワード……？」