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【照れ隠しか】
*
A
「ふぇっくしょんっ!!!」
夏油
「風邪かい?」
A
「おっ、よくわかったね!微熱!」
夏油
「休みなよ…。」
A
「だって、今日任務あるし。」
「微熱ぐらいなら平気っしょ。」
夏油
「任務代わりに行くから早退してもいいよ?」
A
「大丈夫大丈夫!気にしないで〜。」
「じゃあ行ってくるね〜。」
*
と、言った数時間前の自分を呪いたい。
任務疲れで体調めっちゃ悪化した。
寒気で体が震える。
とりあえず、早く寮に帰ろう。
寝れば治る。
五条
「風邪だって?大丈夫?」
A
「あ〜?悪化したっぽい。」
「………って五条!?なんでいんの!?」
驚き過ぎて見事に2度見した。
真横に五条がいた。
五条は私の事を上から下までじっと見ると、大きなため息をついた。
五条
「顔色悪いし、ボッロボロで汚ぇし…。」
「何してんの、お前。」
A
「いやぁ、案外手こずって…。」
五条から少し距離を取り、この状況を整理する。
………いや、なんで五条いんの本当に。
任務だって聞いてたんだけどな。
五条
「これ着ろ。」
そう言って、羽織らされたのは五条の上着。
ほんのり暖かいそれは五条の体温を感じさせ、何だか五条に抱きしめられているような気持ちになった。
そんでめっちゃいいにおいする。
五条
「おい、A。」
「いいか?…暴れんなよ。」
そう言った後、ひょいと軽く持ち上げられ、ヒェッ。と変な声が出た。
世間一般的に言うお姫様抱っこだ。
まさか、自分がされる日が来るとは思いもしなかった。
五条
「さっさと帰んぞ。」
ぶっきらぼうにそう言う五条の胸からはドキドキと心臓の音がうるさい程聞こえた。
A
「…五条。」
五条
「あん?」
A
「……ドキドキしてんの?」
五条
「うっせ黙れ。」
そっか、ぶっきらぼうなのは照れ隠しだったのか。
*
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作者名:mito | 作成日時:2022年1月27日 2時