40.忘れるための偽恋 ページ10
「じゃあ、Aちゃん頑張って」
「はい!」
大野さんは重要な会議があると言って、そそくさと社長室を出ていった。
櫻井さんは私を案内する役目を任されたため、会議に出席する方を別の方にチェンジしたらしい。
申し訳ないことしたな…。
私も同意の上だから、無理矢理でもなんでもないため、私側が完全に悪い。
大野さんの言葉に甘え過ぎてる気がする。
そう思いながら昨日生け損ねたカモミールを処分する。どうしても私は散らかしっぱなしにした花が気になって、処分したいと申し出た。
ゴミ箱に捨てようと蓋を取ると、香るラベンダーの香り。
え?と思ってゴミ箱を見たら、捨てられて1日しか経ってないラベンダーが捨てられていた。
なんで捨てられたんだろう…。
このラベンダーはきっと鑑賞するまでもなく捨てられた。その証拠に、花束のままゴミ箱に収まっている。
「Aちゃーん?」
ドアの向こうから櫻井さんの声がする。
そうだった。
わざわざ私が昨日の花を処分したいと言ったから、秘書室まで案内しようとしていた櫻井さんを待たせているんだった。
手にしていたカモミールをゴミ箱に入れて、蓋をする。
こんな簡単な作業に長居をかけるなんて可笑しい。
ササッと終わらせて、ドアの外で待ってる櫻井さんの元へ急ぐ。
「すみません。お待たせしました」
「良かった。てっきり部屋の中で何かあったのかと思いましたよ(笑)」
不審者に襲われたのかと心配したと言われる。
社長室に不審者はないだろうと考えて笑う私は初日にして、ここで働くのも悪くないのかなと心をぐらつかされていた。
「そうそう。この前言ってた提案のことなんだけど」
不意をつかれた話題。
そういえばそんなこと言ってたなと、昨日の記憶のはずなのに忘れている。
「智くんとお見合いして貰おうかなって思ってたんだけど…」
にこやかに笑う櫻井さんが困り顔で笑う。
「その必要はなくなったみたいだね(笑)」
私と大野さんがくっつくのは時間の問題ということだろう。実際、私もそう思っている。
早く和也さんが私の中で薄れていって欲しいから。
私は大野さんの手を取ることにした…。
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光和(プロフ) - 櫻宮わかなさん» 櫻宮わかな様初めまして。ほじくり返せば彼らの隠し事がザクザク出てくる設定。間違っていません とも!ありがとうございます(*´˘`*)続編希望の声有難く頂戴致しまして視野に入れてみますね! (2018年4月6日 23時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮わかな - ニノのミステリアスなところも 他メンがキーパーソンになっているところも(←違ったらすみません)面白かったです。 続編希望です (2018年4月6日 22時) (レス) id: 117e868e47 (このIDを非表示/違反報告)
光和(プロフ) - ライムさん» ライム様初めまして。ニノさんがミステリアスなのをいいことに、こんな仕掛けになっておりました。伏線はまいておいたつもりなので、驚いていただけて嬉しいです。更新頑張りますね!(p`・ω・´q) (2018年4月4日 9時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)
ライム - 話の急展開に驚いています。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月4日 1時) (レス) id: f7d006b4ac (このIDを非表示/違反報告)
光和(プロフ) - ゆかりさん» ゆかり様初めまして。ニノさんへの愛の言葉をありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリこれからも本作品をよろしくお願いします。 (2018年3月25日 10時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光和 | 作成日時:2018年3月24日 21時