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37.新しい恋 ページ7

いつも目が覚める時間に私は今日もきっちり目が覚める。
そこで気付く。
私のベッドより随分とフカフカのベッドにいることに。


「どこ…」


私の部屋より広い室内。
見渡す限り高級ホテルの一室のように見える。

状況を理解しようとする寝起きの脳に電話のバイブ音がブーブーなる。
そういえばマナーモードにしたままだったと昨日の記憶が1つ蘇った。

画面に表示された大野さんの文字に私は何の躊躇いもなく出た。


「もしもし?おはようございます」

「Aちゃんおはよ」


鼓膜を心地よく揺らす声に大野さんの魅力を1つ感じる。
それからというと、大野さんは昨日私が家を教えてくれる前に寝ちゃったためホテルに泊まらせたと、事の経緯を話してくれた。
加えて、ホテル代を払ってくれたらしくそのお金を返さなくていいと言う。
そして前回学習したように、お代はやっぱり今度絵を見に来て欲しいとのこと。


「おいらの家でも良かったけど、翔くんがダメって言って聞いてくれなかかったんだよ」

「私は今それを聞いて凄く安心しています」

「え、?酷くない?(笑)」


朝から2人してケラケラ笑ってる。
それがかえって余計な事を考えなくて済むので有難い。


「迎えに行くから待ってて?」

「はい、待ってます」


ひとしきり盛り上がった後、送ると言って聞かない大野さんの言葉に甘える。
いや、私は誰かに甘えたかったのかもしれない。

吹っ飛ばなかった昨日の記憶は、起きた時からあることを知っていた。

失恋の痛みを癒すには新しい恋なんて言うけれど、私はそんなの反対派。
しかし、そんなことも今日をもって言えない。

お風呂に入って、鞄に突っ込んだままだった服を着る。
チェックアウトを済ませると、にこやかに微笑みながら私のそばに来た。


「行こっか」


差し出された手に私の手を重ねて、伝わる体温と歩き出したその背中に私は恋をしようとしてた。

38.彼の正体→←36.長い一日の終わり



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光和(プロフ) - 櫻宮わかなさん» 櫻宮わかな様初めまして。ほじくり返せば彼らの隠し事がザクザク出てくる設定。間違っていません とも!ありがとうございます(*´˘`*)続編希望の声有難く頂戴致しまして視野に入れてみますね! (2018年4月6日 23時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮わかな - ニノのミステリアスなところも 他メンがキーパーソンになっているところも(←違ったらすみません)面白かったです。 続編希望です (2018年4月6日 22時) (レス) id: 117e868e47 (このIDを非表示/違反報告)
光和(プロフ) - ライムさん» ライム様初めまして。ニノさんがミステリアスなのをいいことに、こんな仕掛けになっておりました。伏線はまいておいたつもりなので、驚いていただけて嬉しいです。更新頑張りますね!(p`・ω・´q) (2018年4月4日 9時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)
ライム - 話の急展開に驚いています。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月4日 1時) (レス) id: f7d006b4ac (このIDを非表示/違反報告)
光和(プロフ) - ゆかりさん» ゆかり様初めまして。ニノさんへの愛の言葉をありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリこれからも本作品をよろしくお願いします。 (2018年3月25日 10時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:光和 | 作成日時:2018年3月24日 21時

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