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43.思い切れ ページ13

あまりの事実に目眩がしそうになる。


「…どうしてですか?」

「え?」

「どうして私にそんな事教えたんですか」


櫻井さんが私を手に入れようと働きかけていた。
嘘でも本当でもどっちでもいい。
ただ知らない方が幸せなことだったじゃないか。

それを知ったところで私の気持ちが変わる訳でもない…。


「…それは、社長と付き合ってるってとっていいのね?」

「…付き合ってはいません。でも明日、彼には返事をする予定です」


例え力づくで社長側に引き込まれようが、私には抗う術がない。
彼を好きでいる意味がないのならばこの恋を止めてしまいたいのだ。


「社長のこと好きなの…?」


真っ直ぐ見つめる瞳を見ながら、大野さんが好きと言えたらどれだけ楽だろう。
ここできっちりフラれるしかもう道は残されてないのだうか。


「お答えしたら、この手離してもらえますか?」


もう覚悟を決めるしかない。
この人にフラれるしかこの恋を忘れる第1歩にする他ない。


「答えて欲しいけれどそれだったら言わなくていい。俺があなたを離せないから」

「え…?」


思考が止まった。
分からない。
彼がこんなにも私を引き止める理由が分からない。
そんなの何があっても離さないって言ってるのと同じじゃん。


「離せないってどういうことですか…」

「Aちゃんが好きだから社長の元へは行かせたくないってこと」

「…ウソです」


何それ。
ますます意味わかんない。
だったら私が見たあの日は何だったっていうの…。


「ウソ?」







*









*









*









*








*









「あなた何か見たの?」


彼の手が私の両手を束ねる。
そのままグイッと壁に押し寄せられた体。


「パーティ誰に誘われた?」


冷静な声音が耳に届く。


「え?」

「パーティ、誰に誘われたの?」

「なんで私がパーティに行ったことを知って…」

「参加者名簿」


彼の声が聞いたことのある単語を紡いだ。

44.嘘まみれ→←42.清掃員は名探偵



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光和(プロフ) - 櫻宮わかなさん» 櫻宮わかな様初めまして。ほじくり返せば彼らの隠し事がザクザク出てくる設定。間違っていません とも!ありがとうございます(*´˘`*)続編希望の声有難く頂戴致しまして視野に入れてみますね! (2018年4月6日 23時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮わかな - ニノのミステリアスなところも 他メンがキーパーソンになっているところも(←違ったらすみません)面白かったです。 続編希望です (2018年4月6日 22時) (レス) id: 117e868e47 (このIDを非表示/違反報告)
光和(プロフ) - ライムさん» ライム様初めまして。ニノさんがミステリアスなのをいいことに、こんな仕掛けになっておりました。伏線はまいておいたつもりなので、驚いていただけて嬉しいです。更新頑張りますね!(p`・ω・´q) (2018年4月4日 9時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)
ライム - 話の急展開に驚いています。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月4日 1時) (レス) id: f7d006b4ac (このIDを非表示/違反報告)
光和(プロフ) - ゆかりさん» ゆかり様初めまして。ニノさんへの愛の言葉をありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリこれからも本作品をよろしくお願いします。 (2018年3月25日 10時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:光和 | 作成日時:2018年3月24日 21時

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