14.運命の人 ページ14
コップをカタっとカウンターに置かれる音が響いた。少し瞳を伏せてコップを両手で持ち、中身を覗いてる。
「もう1杯飲みますか?」
「いえ、いいです」
答えるためにスっと上げられた顔。
さっき欠伸をしたが為に、少し潤んだその瞳。
彼の薄い唇が少し噛み締められている。
「そうですか」
寝不足にさせたのは申し訳ないけれど、残念ながら私にできることはない。眠たいのなら早く帰って寝ることをおすすめする。
「冷たいねぇ…」
「そんなことありませんよ」
「俺の熱意はどうしたら伝わるのやら」
彼から注がれる熱っぽい視線に私は動じることなく、花の茎を切っては花瓶に挿す。バランスを時々見ては少し調整してを繰り返した。
そんな私を和也さんは飽きることなく見つめては、綺麗な手だね、真剣な表情も可愛いねって言う。
お世辞を並べては、いつもの調子で始まる口説きタイム。
「俺にも連絡先教えてよ」
「お断りします」
「じゃあデート」
「お断りします」
えーっと言って頬をぷくぅと膨らませる彼。
どうやら、おのれの武器を分かって使ってきている…。
数秒見つめ合った後、これは効かないぞとわかった彼がクハハっと笑う。
「手強ないな(笑)」
あまりにも嬉しそうに言うから、私の心臓がドクンと音を立てる。
え?なにこれ…。
そんな私をよそに、彼が席を立って1本の花を手に取る。見た目がとても美しい芍薬の花。
「この花、あなたによく似てるよね」
花に呼び掛けるその声が、私の耳に焼きつく。
立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花
美人に使われる言葉だ。
その芍薬に例えられる。
そこまで言われてドキドキしない女なんていない。
ましてやこんなイケメン。
「好きになってくれませんか?」
彼に言われてハッと我に返る。
不覚にも私は彼に見とれてしまっていたのだ。
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光和(プロフ) - kah0july13さん» ありがとうございます。その時が来たらまたお知らせします!お話を進められるよう頑張りますね! (2018年2月15日 23時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)
kah0july13(プロフ) - 光和さん» ぜひぜひ二宮さんサイドよろしくお願いします!がんばってください! (2018年2月13日 21時) (レス) id: a426a84b69 (このIDを非表示/違反報告)
光和(プロフ) - kah0july13さん» こちらこそはじめまして。照れながら読んで頂けて私も書きがいがあります!翻弄している二宮さんは罪な男です(*ノωノ)キャ二宮さんサイドもまた面白いですよ( *´艸`)いつか書ける日が来たらいいなと思ってます。ありがとうございます。更新頑張ります! (2018年2月13日 17時) (レス) id: 57f8bc9dac (このIDを非表示/違反報告)
kah0july13(プロフ) - (続けてすみません!)いつか二宮さんサイドでも書いてほしいなぁと勝手に思ってます(〃艸〃)ムフッこれからの更新も楽しみにしてます! (2018年2月13日 3時) (レス) id: a426a84b69 (このIDを非表示/違反報告)
kah0july13(プロフ) - はじめまして!いつも二宮さんの惚れっぷりに照れながら(←?)読ませていただいてます!私の中では初めて読むタイプの二宮さんで、「何か裏が?それとも純粋に?」なんて毎日ニノさんの心のうちを考えるのが楽しいです! (2018年2月13日 3時) (レス) id: a426a84b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光和 | 作成日時:2018年2月5日 4時