メリー・クリスマス※ ページ12
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Aが目覚めると既に朝だった。今日は二人とも一日中休暇でゆっくりしていられるから、彼女は再び布団に潜り込んだ。
下着だけしか身に付けていないせいで少々肌寒く、同じベッドで眠り込む零に抱きつく。するとさすがに彼も起きたようで、あくびをしながら目を擦った。
「おはよう」
「おはよ」
彼は上体を起こし、枕元にあったリモコンで暖房のスイッチを入れる。
「顔、洗ってくる」
「私も」
Aも慌ててそう言うと、零は彼女の部屋着を放って寄越した。自分もスウェットを着て洗面所へ向かう。洗顔のあと歯を磨き、軽く寝癖を直す。ようやくきちんと目が覚めた様子の零がAに言った。
「リビングに行こう、ここは寒くて敵わない」
零とは違ってぼんやりとしているAは、彼に手を引かれるままに移動した。だが、リビングルームのクリスマスツリーを目にするなり、驚いて息を飲んだ。
「……ツリーの下に何かある」
クリスマスツリーに走り寄ったAは気が付かなかったが、その様子を眺めている零がほくそ笑み、満足そうに頷いた。
「これって」
はっとなって零を見る彼女に、彼はいたずらっぽく笑って首を縦に振ってみせる。
「うん、そう。僕から」
零はAと一緒に包みを開封し、彼女が嬉しそうにはにかむ顔を実に楽しそうに見つめた。
「……ありがとう。私からもあるんだ、気が付かなかった？」
頬を紅潮させて言うAの言葉に、零は面食らって記憶を反芻した。しかし、思い当たることはない。降谷零が異変に気付かないなど、あるわけがないのだ。
「ツリーをよく見て」
必死に考えを巡らす零を見て、Aはからかうように付け足す。目がきらきらした、無邪気な表情だった。
彼女のヒント通りにクリスマスツリーをよく観察すると、オーナメントの一つがなにやら他と違う形をしている。球体のそれらの中で、一つだけ立方体をしていた。
「……そういうことか」
巧い隠し場所に感心する零に、Aは得意げに胸を張って見せた。そこには銀のネックレスがさりげなくきらめいている。
「改めて、メリークリスマス、零さん」
「メリークリスマス、A」
本当に終わり
終わり
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降谷さんはクールで言葉足らず気味。
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長谷夏子(プロフ) - 笑福さん» コメントありがとうございます。とても励みになります。結末に向けてラストスパートをかけていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 (2018年11月10日 16時) (
レス) id: 19bd7edd69 (このIDを非表示/違反報告)
笑福(プロフ) - 再びコメント失礼致します。やはり長谷さんの書く小説は引き込まれる内容でとても面白いです!続き頑張ってください。最後までお付き合いします\( *´ω`* )/ (2018年11月10日 14時) (レス) id: ada93b3781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長谷夏子 | 作成日時：2018年10月18日 19時
