死 轟 山田 ページ29
轟焦凍
「え・・・？」
「お前も俺を置いていくのか・・・？」
とても悲しそうに貴女の手を握リます。
そして冷たい貴女の手をそっと自分の頬に当てます。
涙を誤魔化すように貴女の手で自分の目元を隠します。
「なぁ俺はお前のためならなんだってやれる。
ヴィランにだって身を堕としてやる。
だから・・・なぁ戻って来いよ。」
貴女を見つめて泣きそうな顔をしています。
そしてハッとしたように目を見開きます。
「そうか・・・「好き」・・・か」
「ああ、やっと分かった」
と呟いて無理矢理笑ったような顔をして貴女に言います。
「なぁA・・・俺「好き」だ。お前の事。
世界の誰よりもお前の事が「好き」だったんだ」
「今更なんて、馬鹿だよなぁ・・・っ」
そう自虐的な言葉を呟きながらも、顔は無理矢理笑っています。
轟が大人になって、プロヒーローになって、色々な人から好かれ、
尊敬され、ファンだと言われても、轟が戦う理由は「市民のため」
ではなく、まぎれもない「貴女のため」です。
せめて貴方が天国で笑ってくれているように。
轟はたった「一人」で戦い続けます。
プレゼント・マイク
「は・・・？」
「なぁ・・・俺が好きなのはお前ひとりなんだよ・・・。
好きなヤツ一人守れねえとか・・・なんなんだよ・・・ねぇだろそんなの」
笑ったまま口が硬直して、体全身の力が抜けていきます。
そしてやっと現実を理解した頃、気が付くと視界が歪んで大粒の涙が零れ落ちています。
「笑わせるよなぁ・・・プロを名乗るヒーローがよ、
大事なヤツの一人守れねえとか」
「なぁ？」ともう何も返せない貴女に向かって問いかけるように言います。
「あぁもう・・・こんなに辛ぇんだな好きなヤツがいなくなるって。
分かんなかったぜ・・・分かりたくもなかったけどよぉ・・・
知らない事を知った代償が大きすぎねぇか・・・？」
「ここ・・・こんなに痛むモンなのか・・・？」
そう言ってマイク先生がさすのは心臓のあたりです。
「大事なヤツを失った痛みも、
苦しさも怖さも知らねぇで・・・
なんで俺ヒーローやってこれたんだろうなぁ・・・？」
貴女を守れなかった自分が不甲斐なくて、
ただ涙を流している自分が無力だと痛感させられて、
ただただ痛いほどの自己嫌悪に駆られます。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 594人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミラージュ - 『猫耳猫尻尾生えてみた』お願いします。猫好き2人を入れて欲しいです。天喰先輩を追加して欲しいです。 (2022年2月11日 12時) (
レス) id: d117aee842 (このIDを非表示/違反報告)
ミラージュ - 『移植』で天喰先輩を追加して欲しいです。 (2022年2月11日 12時) (レス) @page6 id: d117aee842 (このIDを非表示/違反報告)
サクシャ - マイク先生が意外と尊いのはこの作品の魔法ですか？？(？)大好きです。 (2021年1月23日 9時) (レス) id: e642cc44be (このIDを非表示/違反報告)
蛇心仏口 - R。さん» 大好きだなんて！とても嬉しいです！コメントありがとうございます！！ (2019年7月17日 0時) (レス) id: d4848b5142 (このIDを非表示/違反報告)
R。 - この作品本当に大好きです!これからも頑張って下さい!! (2019年4月27日 23時) (レス) id: ad492138d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蛇心仏口 | 作成日時：2018年6月24日 2時
