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「ハァ……ハァ……き、きつ……」
息づかいが荒くなる。
夏の日差しが俺の体力を奪っていく。
意識が朦朧としてきた。
もうすでに泡を吹いて倒れている奴もいる。
そいつらがどうなったか俺はわからない。
想像したくもない。
剣を腰に差しながら地獄とも言える距離の走り込み。
もはやこれで俺たちを殺すつもりなのかもしれない。
それ以前に王族はなぜ俺たちの護衛が必要なのかそれを説明もしなかった。
そんな奴らのためになぜここまで必死にならなくてはいけない。
なぜ命を預けなければいけない。
苦しめば苦しむほど疑問が浮上する。
そして同時に怒りも湧き上がる。
____何で俺なんだよ。
ひとつのことに怒りを感じると色々なことを思い出してしまう。
「あぁ、ムシャクシャする……!」
なんでこう俺の周りには俺をイラつかせることしかねえんだろう。
__目の前のやつに切りかかりたい
そう思って腰の剣に手をかけたとき、笛の音が鳴った。休憩の合図だ。
それで俺は我に返った。
足を止めて、腰から手を離す。
大きく息を吸って呼吸を整える。
足を止めた途端、その場に崩れ落ちるやつもいた。
嘔吐してる奴もいる。
もどしているやつを見ると気分が悪くなったので俺はその場を離れた。
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