【オリジナル】ロイヤルオリオン (ページ14)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:5,802 hit

. ページ14

.

「……っと、こんな感じかな……」

歌い終え、俺は上手く出来た、とにやけそうだったが何とか抑えた。

「す、すごい……すごいよ、アレン君！」

「え…？」

いきなり手を握られて硬直した。
顔が熱い。握られた方の手が小刻みに震えている。

女の手って、柔けえんだな…

しかし、長いこと手を離してくれない。
こっちは心臓が高鳴って息苦しいっていうのに。

「お、おい。いい加減……」

「あっ…ご、ごめんなさい」

「いや、別に」

髙木は手を離し、苦笑いした。

「あ、明日ね、渡したいものあるから、絶対来て
ね」

「ああ。わかってるよ。で、何だ？」

「秘密に決まってるでしょ？」

「だろうな」

俺はフッと息を吐くように笑った。
それに高木が目を丸くする。

「どうした」

「う、ううん。アレン君、笑うんだなって思って」

「は？いや、普通に笑うよ。失礼だな。ま、少なくともアンタほどは笑わないだろうけどな」

その言葉を聞くなり高木は声を上げて笑った。

「私、そんなに笑ってる？」

「ああ、今も笑ってんじゃん」

「ホントだ！」

ここに来てたった数日。
今まで一ヶ月、一年経っても友達ができなかったのに、なんでコイツとはすぐに話せているんだろう。