毒と痛みと愛情と(二期)。【死柄木弔】

どうして。(業side) ページ50

"敵連合から抜けたいか"

死柄木弔は確かにそう言った。

なんて言えばいいの？
どういうこと？

死柄木弔は、アタシを必要としてない？

頭の中がぐちゃぐちゃに掻き回される。

「ど、どうして？」

「……お前はどっちがいい」

「そんなのッ…」

貴方の側にいたいに決まってるじゃない。
どうしてそんなこと聞くのよ。

「お前が望むなら、抜けても……構わない」

そんな。アタシはいらないの？

「業、どう…」

「何でッ…どうして…アタシは要らない？」

「え？」

目の前が霞んだ。
頰を伝う涙。

「嫌よ…弔君の側にいたいのに…もっと頑張るから…側に、いさせて…」

死柄木弔がいないと意味がないのに。
望むはずないじゃない。
そんなこと、望むはず無い…のに。

麗音に会って心にぽっかり穴が空いたようになったのは、紛れも無い事実だった。

だけどそれ以上に、死柄木弔の側にいられない、そのことは何よりも重大で、アタシにそんな生活考えられなかった。









そうか
アタシたちは
ヴィランじゃなければよかったんだ








ダメだ。そんなこと、違う。
アタシはここにいるのが幸せで、何を言ってもしょうがないのに。

「……弔君、そんなこと言わないで……貴方の側にいたいの…」

小さく懇願すると、弔君は抱きしめてくれた。

「あぁそうかそうだな…違うよ、お前は敵連合に必要だ。違う、違う違う……そうだ…いるといいよ。お前は、俺に忠誠を誓ったんだから……」

焦っているような声。
嘘は、ついていない。
そのことに深く安堵した。

「…弔君……」

死柄木弔はアタシを離した。
瞳は、揺れていた。
彼でもこんな表情をするんだ、と少し不思議に思った。
だけど、どうして、そんな顔をするの？

死柄木弔はいつもつけている手を顔につけて言った。

「爆豪と、お前のお目当の麗音君の登場だ。本当にいいんだな」

わからない。
でもやらなきゃアタシは死柄木弔といられない。
掌をぎゅっと握りしめる。

「できるわ」

その瞬間、黒霧のワープゲートが目の前に現れた。






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続編に行きます！
多分三期で終わると思います！
あと少し、よろしくお願いします！！

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