胸の奥底へ。(業side) ページ43
アタシが目を覚ますと、もうすでに朝になってしまっていた。五時を指す時計の針。
熱は引いている。
けれど、まだ昨日の胃のムカつきが残っていて、起きるのが億劫だった。
「何だ。ほらやっぱり無事だったじゃん」
「お、おはよう…弔君、黒霧さん」
「ああ」
「業、心配したのですよ」
ちょうど二人がバーに入ってきた。
黒霧は茶碗を乗せたお盆を持っていた。
「あぁ、これですか。まだ調子が悪いと思うので、お粥を作りました」
「ありがとう、黒霧さん…」
ふー、と冷ましてから一口入れると、卵の甘みが広がって、胸がじんわりあったかくなった。
「美味しい」
「それはそれは。何よりです」
「おい、もう大丈夫なんだろ。昨日何があったか聞かせてもらうぞ」
昨日のこと。
思い出すだけで胸糞が悪い。
「……昨日、麗音に、会ったの」
「麗音って…中学ん時のか」
「ええ。それで、話があるって言われて、色々話したのよ。でもそいつ、全部自分の話ばっかで、昔友達だったとか、優の話とか…アタシを倒すとか……昔はアタシが好きだったとか…意味ないことばっか言ってきて…」
ぎ、と奥歯が音を出す。
そんな言葉に振り回されるアタシに、アタシ自身に腹が立つ。未熟者だと。
「昔、好きだった？何だそりゃ、青春してんなァ。くだらねぇ」
気怠そうに死柄木弔が腕を組んだ。
そして「それで？ごめんなさいってどういう意味だ」とアタシに聞く。
「……こんな風に、敵の言葉に、取り乱して、アタシ弔君のために、生きるって決めたのに、なんか、アタシ、ダメだなぁって思って…」
「うわ、何だそりゃ。餓鬼の言うことはさすがに青くせえな」
「……そんな、確かにそうだけど…」
アタシが俯くと、頭に手が落ちてきた。
乱暴で重く、首が痛くなった。
「お前うるさいよ。俺のために生きるって決めたらそれ貫け。1番の駒だろ。いいか、その麗音って奴はお前の敵だよ。ヒーローは、お前の敵だ。わかるな？」
ワシャワシャと頭を撫でられる。
普段こんなことしてくれないのに、と驚きと嬉しさがいっぺんに込み上げる。
うん、そうよね、アタシ決めたんだもん。
矛盾なんかない。アタシは最期まで貫くから。
死柄木弔の側で、彼のために死ぬって。
だから。
首を出しかけた懐かしい思い出の芽を無理やりへし折って、ずっとずっと深い胸の奥底へ、二度と光が見えないようにって、その感情の塊に、蓋をした。
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JACK(プロフ) - 島空太さん» 私の作品で死柄木さんがいいと言ってくれるなんてとっても嬉しいです！！絵は爆死しましたがコメントありがとうございますw頭の中ではもっと美しいはずなのですが描けません…wすごく嬉しいですコメントありがとうございました！ (2017年7月15日 14時) (
レス) id: b7e803d802 (このIDを非表示/違反報告)
島空太 - んんん業ちゃん可愛いなあスタイルいいなあ(谷間ガン見)死柄木くんは最推しではないのですがこの作品見てると業ちゃんと共に不審者したい衝動に駆られます死柄木くんいいですね (2017年7月15日 11時) (レス) id: ad1d4b6253 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - きむち鍋さん» うわぁあぁあぁあ！？きき、きむち鍋様！？いつも読ませていただいてます！！弔さんの作品は全て読みました！もうコメントいただけるとは思わず…！ありがとうございますかなりドキドキしています！ (2017年7月13日 16時) (レス) id: b7e803d802 (このIDを非表示/違反報告)
きむち鍋(プロフ) - 業ちゃんの性格が好きすぎて…！一気読みしてしまいました。死柄木さんとても素敵でそれでいてふと、可愛らしい部分も出てとてもたまりません。これから応援してます。お互い頑張りましょう！ (2017年7月13日 11時) (レス) id: 03e960fb0f (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - 菜血さん» そんな風に言ってもらえて私本当に嬉しいです…マジです…そして業ちゃんのキャラ好きだなんてとっっっても嬉しいです！語彙力が乏しくて嬉しさを最大限に表現できないことが悔しい…！一期からだなんてありがとうございます！頑張ります！ (2017年7月9日 20時) (レス) id: b7e803d802 (このIDを非表示/違反報告)
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