毒と痛みと愛情と。【死柄木弔】

雄英への襲撃��。 ページ28

ようやく例の授業がある日になった。
数々の路地裏にいるような雑魚も合わせての即席ヴィラン連合が始動した。

午前9時。
もう少しで襲撃に入る。

オールマイトを見るとなると自分が制御できなくなるのではないかという不安に襲われる。

「業…いや、エリニュス」

「どうでもいいけれどまだ出かけてないのに言うのはやめてちょうだい」

「慣れておかないと」

「じゃあアタシは死柄木先輩とか呼べばいいかしら？」

「いいねそれ、悪くない響きだ」

あ、いいんだ。
人生上は先輩だし、ヴィランのリーダーだしそうなのかもしれないけれど。

「死柄木キャプテンとかボスとかでもいいんだ」

「ボスは嫌だなァ」

なんだか、ゴツそうなイメージがある、とかなんとか言ってる彼を見ると笑ってしまう。

「2人ともいい加減にしてください…死柄木先輩…行きますよ」

黒霧のその言葉についに吹き出してしまった。

「どうしたんですか、叢雲業」

「い、え？…ぶっ…黒霧さんって…ふふっ…そういうところ、ある、わよね…ふふっ」

お腹が痛い。
よじれる腹を強引に戻し表情筋に力を入れる。
しかし頰はどんどん上がっていく。

「うっわ、変な顔！」

「やめてよ、アタシはヴィランの花なんだから」

「はいはいヴィランなんですからちゃんとそれらしい表情で襲撃に入りましょう」

「それらしい表情って…」

そんな馬鹿騒ぎをやっていたらチンピラのような雑魚ヴィランとでも呼ぼう、そいつらがやってきた。

「さァ、人材も集まったことだし、行こうか」

「ゲームスタート」

死柄木弔のその言葉を合図に黒いモヤがアタシ達を包み込む。

目を開けたそこに映っていた場所は






雄英の生徒と教師の集まっているどこか…だった。

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