溺れる。 ページ25
「わっ」
部屋を出るとドアの前に突っ立っていた死柄木弔に顔ごとぶつかった。
「ごめんなさい…でもそんなところに…」
「……」
赤い目がアタシを真っ直ぐ見下ろしている。
「弔君」
「……」
「ねえ、弔く…」
「なぁ」
それまで黙って凝視していただけの死柄木弔だったが、急に話を切り出して
「お前、俺のために死ねるって？」
瞬間、腕を4本の指で掴まれ強引に引っ張られる。
そしてそのまま彼の胸の中に収まる。
「なぁ、どうなんだよ？え？死ねる？綺麗事だろう？じゃあ今死んでみろよ？」
「え、な、何？なんで怒ってるの？」
彼の顔が息がかかる距離にまで近づく。
壁際に追い詰められた。
「…聞いてたのね…」
「当たり前だろ」
「死ねるって言ったらダメなの？」
「素晴らしいね、だけど無理だろお前には」
そんなことない。
本当にあなたのためなら命なんて捨てれるのよ。
疑われていることについ笑ってしまう。
「…何がおかしい…」
「どうして、できないと思ってるの？」
「……」
「できるわ。アタシ、あなたのためならなんだってできる。おかしいかもしれないけれど、あなたが好きだから、それだけの理由よ」
変な顔。
わかってないのね、ずっとバレてると思っていたけれど。
「…んじゃあこれでも？」
首に手を4本まわされる。
小指を立てているようだ。
「つけたらいいわ。アタシあなたに殺されるの怖くないもの。寧ろ、気分がいい」
そう言って笑ってみせる。
「……」
「……？」
少しの沈黙。
破ったのは死柄木弔だった。
「…はぁ〜…」
大きなため息をついて死柄木弔はアタシから離れた。
「死んでもいいって思ってる人間ほど壊し甲斐のないものはないなぁ…」
「殺さないのね？」
「お前は生きてる間に苦しめた方が楽しそうだ」
「違いないわ」
それより全部聞いてたって、恥ずかしすぎる。
「全部聞いてたのよね、なら最後も聞いてたはずね？」
「…ああ」
「俺のこと好きなんだろ、溺れてんだろ」なんて後ろを向きながら言うものだから。
彼の目の前にひざまづいてこう言った。
「一生の愛と忠誠を誓います」
それから立ち上がって言う。
「アタシはあなたが好きでもう溺れてる。だけどアタシはあなたの夢を叶える一駒に過ぎない。だからアタシはあなたに溺れてほしいなんて願ってない」
「……」
アタシの言葉に死柄木弔は俯いたまま黙り込んで「行くぞ」とだけ言って彼の部屋から出た。
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JACK(プロフ) - 梨杏@ウオタミさん» コメントありがとうございます！！夢主との関係上個人的には20〜22あたりまでであってほしいと思っています！頑張りますありがとうございます！ (2017年6月10日 20時) (
レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
梨杏@ウオタミ(プロフ) - 弔さんの年齢気になりますよね！！更新頑張ってください！待ってます。 (2017年6月10日 19時) (レス) id: 91efdc15d9 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - RYEHLさん» ありがとうございます！その言葉すごく嬉しいです！！これからもよろしくお願いします！！ (2017年6月4日 17時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
RYEHL(プロフ) - とても面白いです！更新頑張ってください(￣▽￣) (2017年6月4日 17時) (レス) id: 6917c8daac (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - あのちゃむさん» ありがとうございます。弔さん口調が定まりませんが頑張ります！ (2017年6月3日 18時) (レス) id: 31809ece97 (このIDを非表示/違反報告)
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