意識、的な何か ページ7
.
「ふふっ」
「何笑ってんだよ気持ち悪りぃ」
「いいの！マイク先生喜んでくれるはず！」
「マイクも気の毒だな……」
帰り道。
もう6時半だっていうのに、太陽は沈む気はさらさらないように紅く燃えていた。
夏は俺の個性が強まるから嫌いじゃない。
「かっちゃん」
前を歩くAが、足を止めて振り向かずに俺の名前を呼んだ。
「なんだよ」
「ありがとね」
「お、おう」
予想しなかった言葉がきて、少し戸惑う。
数秒の間が空いた後、Aは振り返って笑った。
「あのね、私。お茶子ちゃんに、言われたんだ！」
「なんて」
終始、ふふ、と意味ありげに笑いながら、Aは結局何も答えなかった。
「おい、焦らすな。イライラしてくるから早く教えろやこら」
「ひ・み・つ！でもとっても嬉しいことだったんだよねー！」
「うぜー」
「なんとでもいいなさい！」
スキップをしながら前を歩くAを見て、これが他の奴だったら一発殴ってたな、とか思った。
でもウザいとは思うものの、全く怒りが沸き上がらないのはどうしてだろうと何度も考えたことがある。
特別な存在だってのは、多分合ってる。
この笑顔が、俺の隣でずっと続けばいいって思ってる。
たわいないことで笑ってるこいつを見てると、俺も自然と笑い声が溢れてしまうのだった。
「お？かっちゃーん、どうして笑ってるの？楽しかった？そうかそうか！」
「おい何も言ってねえぞ」
「顔に書いてるぞ！私と買い物行くのがそんなに楽しかったんだね！」
「勝手に話進めん…」
「そんな勝己君にはこれをあげよう！」
じゃん、とAが取り出したのは、幾分ファンシーではあるが、男が持っていても悪くはないキーホルダーだった。
「あ？んだこれ」
「かっちゃんにあげるよ！」
「なんで」
「……買い物、付き合ってくれたから？」
急にしおらしくなったかと思うと、「気に入らなかった？」などと小首を傾げるものだから、いらないなんて言えるわけがない。
「……しゃーねーな。もらってやるよ」
俺がそう言うと、わざとらしいぐらいにAは顔を輝かせた。
その笑顔に、何も言えなくなる。嬉しくなる。
「かっちゃん！」
「近くででかい声出すなよ」
「ごめん！嬉しい！？」
「あー嬉しい嬉しい。わかったから静まれ」
「へへっ、嬉しいんだ！さっき買ってよかった！」
いつものことさが、終始ハイテンション。
家に着くまでずっとうるさいままだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シャルア(プロフ) - あ、いいですよー。 (2017年9月9日 7時) (
レス) id: c6ec30f591 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - シャルアさん» わぁあ専門的になってきてわかりませんwでもそれ以上に爆豪君が好きなら素晴らしいですね！！そろそろチャット的になってきたのでもしよろしければこみゅーのほうで話したりはできますか？そちらで語れれば嬉しいです！ (2017年9月8日 22時) (レス) id: 5cbdd7f155 (このIDを非表示/違反報告)
シャルア(プロフ) - ドラゴンボールでは、ヒットさんとジレンがいいですが、勝己君がもっと好きです (2017年9月8日 22時) (レス) id: c6ec30f591 (このIDを非表示/違反報告)
シャルア(プロフ) - ありがとうございます！！しかし、ヒロアカが気になり始めたので、心移りすると思います。 (2017年9月8日 22時) (レス) id: c6ec30f591 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - シャルアさん» さっき作品見て来ましたがドラゴンボール好きなのですね。私はあまりよくわからないのですが17号と18号がかっこいいって思いますw (2017年9月8日 22時) (レス) id: 5cbdd7f155 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
