二人きりの部室で。【黒尾鉄朗】

２１回目の。 ページ21

貴女｢お疲れー｣


夜久｢おう、またな


アイツとうまくやれよ？｣




スッと鉄朗の方を指す夜久



貴女｢何言ってんの｣






夜久｢んな怖い顔すんなって｣






貴女｢怒らせたい？？？｣





夜久｢ははっわりぃ、



つかもう怒ってんだろ？｣







なんだかんだ楽しそうに笑う夜久を見ていると




心が落ち着く。





黒尾｢お2人さんは何のお話してんですかぁ〜？｣






夜久｢ｹﾞｯめんどくせー｣




黒尾｢はぃぃぃぃい？！


どういう意味ですかぁ？！｣






またまたヤケに面倒臭い絡み方をする鉄朗




夜久ももう呆れてる。






....のにそれがまた楽しそうに見える





孤爪｢....そんなことよりクロ、Aさんをしっかり送り届けないと承知しないから｣







ゲーム画面から覗かせる研磨の鋭い目




その目はしっかり鉄朗を捉えていて




少し背中がヒヤリとした気もした。







黒尾｢分かってるつーの

ほら研磨も夜久もさっさと帰れー｣







急かすように2人の背を押す鉄朗







夜久｢じゃーな｣




黒尾｢おう、さっさと帰れ｣





夜久とやいやい言いながら部室を出る鉄朗



....お見送りとかホント心配なのね






孤爪｢....Aさん、最後にいい？｣



貴女｢え、うん



全然良いよ？｣






研磨と二人限りになった部室







研磨からの話なんて珍しくて少し緊張する









孤爪｢クロ、なんか不器用だからさ


普段は鬱陶しいくらい器用なのに


恋愛のことになると点で不器用なんだよね



....上手く言えないけど｣






少し俯いてから



顔を上げて





孤爪｢Aさんのことは大事にすると思う。｣







貴女｢え？｣





孤爪｢じゃーね｣





あっさりと済ました顔の研磨に驚きを隠せないでいる私は心臓がバクバク唸っている。







研磨が出ていった部室はシンｯと静まりかえっていた。

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