#31. 青 side ページ31
「吸いたいんは分かるけど、外に出したくないし部屋で吸われるんも困る」
『なら喫煙所行かしてや、敷地内やん』
「そういう問題ちゃうねんて」
やっと終わったかと思えば、また揉め始めた2人。
ゾムも手に負えへん様子で俺らの元へ来た
「俺の声聞こえてへんわ」
「意外と意固地やからなぁ…」
じっと2人を見ながらゾムと会話をする。
トントンもエーミールも会話はないが眺めていた
それからどのくらいが経ったろうか、2人とも大きな声での張合いの為、息も絶え絶え。
肩を上下させながら、先にショッピくんが口を開いた
「そんな譲れへんのやったらもうどこにでも行ってまえ！！帰ってくんな！！！」
ショッピくんのその言葉に場の空気が一気に冷たくなったような気がした。
依兎瀬も肩で息をしながら、口を閉じてしまった。
言い返すんか、どうなるんや、なんて皆で見ていると言い返すことも無く黙ってその場を離れた。
リビングから居なくなり、少しして部屋からスマホやタバコ、着てきた服をソファに放り投げた。
着替えてきた服は少し汚れており、ショッピの選ぶような服ではなかった。依兎瀬のかな。
『大先生』
「え？」
『行くで』
「は？」
『泊まらして』
俺の腕を引き、玄関へと向かう依兎瀬。
ショッピもほんまに出て行くとは思って無かったのか、止めに入ろうとしていた。
勿論ゾムも、トントンもエーミールも。
俺だって止めたけど、腕は強く握られ離せるような力ではなく、口も聞いてくれへんからどうすることも出来ない。
「A、ほんまに出て行くん、？なぁ、」
『お邪魔しました。』
ショッピくんの言葉なんかガン無視、靴を履き終えると俺を引っ張ってエレベーターへと向かった。
なんで俺なのか、全く理解が出来ないままマンションの外へ。
「…依兎瀬…？」
『ん？』
「ん？じゃなくて、なんで俺なん？」
『大先生タバコ吸うし、話し合うから』
「ゾムとかでも良かったんちゃうん？」
『ゾムはタバコ嫌がるやろ』
「…他にも2人おったし…」
『やかましいな』
なんて少しまだイラついてる様子の依兎瀬。
てかタバコショッピくんの家に置いてきたけど良かったんかな。
「タバコ吸うん？」
『は？吸わへんわ。えらいから我慢すんねん』
「じゃあ出てくる必要なかったやん」
『…あんなん言われたら出ていくしかないやろ』
真っ暗な中、俺の家へ徒歩を進める俺ら。
街灯に照らされた依兎瀬は少し悲しそうな顔をしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 155人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chara＊doll＿サブ(プロフ) - 宮さんのw.r.w.r.d.の作品が大好きです…💓 完結おめでとうございます！これからも応援してます！またいつか宮さんのd!の作品が見たいです…！✨🍀 (2021年11月12日 16時) (
レス) @page41 id: 8350102349 (このIDを非表示/違反報告)
Ok - ガチ泣きしてしまった (2021年11月8日 0時) (レス) @page38 id: f38258070c (このIDを非表示/違反報告)
つむ - 初めてですが、とってもおもしろかったですー。お身体に気をつけて、更新頑張ってください！ (2021年10月14日 14時) (レス) id: c4476d5627 (このIDを非表示/違反報告)
はくまい(プロフ) - 何某さんのd小説待ちわびてました〜！！！今回も凄い面白いです、ありがとうございます😭😭😭 (2021年10月13日 18時) (レス) @page5 id: 5573920f77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：宮 x他1人 | 作成日時：2021年10月13日 18時
