25 杏寿郎 ページ25
あの無限列車の日から、俺は眠るのが怖くなった
俺の目の前で上弦の参に腹を貫かれる姿
何度呼びかけても俺の腕の中でぐったりとしたまま目を開けない血まみれの彼女
あの時の光景を毎日夢に見る
そして目を開けないまま....
最悪な結末を夢に見るたびベッドから飛び起き彼女の病室へ行く
そして息をしている彼女を見て安堵する
....その繰り返しだった
胡「...睡眠薬、処方しましょうか？」
俺の目の下の隈を見て胡蝶は言った
大丈夫だと言おうとしたが、さすがに俺も限界だった
煉「すまない...頼んでも良いだろうか。」
出来るなら夢を見ないくらい深く眠りたい
そう言うと胡蝶は一瞬目を見開き、悲しそうな顔で「わかりました」と言ってくれた
...胡蝶に処方してもらった薬は良く効いた
俺は早々に動けるようになり、機能回復訓練も終え、煉獄家での静養となった
俺が帰って来た日、千寿郎は涙を零しながら俺に抱きつき
父上は「....よく戻った」と言ってくれた
久しぶりに家族で夕餉を食べ、自室に向かう
入院している間できなかった報告書を作ったり、書物を読む
その後処方された薬を飲み気絶するように眠る
そんな日々を何日続けていたある日
真夜中に鴉の羽音を聞き目を覚ました
薬を飲んでいるはずなのに、何故か、目が覚めたんだ
スッと襖を開け、指を差し出せばそこに止まる鎹鴉
煉「....君は、凜か....？」
Aの鎹鴉だった
凜「A！起キタ！起キタ！」
俺は寝間着に羽織をかけた状態にもかかわらず蝶屋敷へ向かっていた
煉「失礼する！胡蝶！」
俺の大声に青筋を立てた任務帰りであろう胡蝶が現れる
胡「うるさいです煉獄さん。Aさんは目覚めましたが先程再び眠られました。朝になったら出直してください！」
煉「断る！Aが起きるまで彼女の部屋にいたい！」
半ば無理矢理許可をもらい、病室に行く
椅子に腰掛け彼女の手を両手で包む
朝日が登り、部屋の窓から光が差し込み始めた頃
彼女の瞳が開き、俺をその瞳に写した
...目が覚めたなら、君にたくさんの話したいことがあったはずなのに
目を覚ました彼女に
俺はただ謝ることしかできない
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riry(プロフ) - はなさん» 教えて頂きありがとうございます！今確認したらオリジナルの所が間違ってチェックされてました...。これで消えたと思うのですが... (2021年11月22日 16時) (
レス) id: 5c6d616fa5 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - オリジナルフラグたってますよ……！ (2021年11月22日 16時) (レス) id: 1f4f011eda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：riry | 作成日時：2021年11月21日 10時
