17-16 最後の一枚 ページ16
■ RiKu ■
“言えない”ことを表す鋼の扉…。
いつもみたいにそんな笑顔じゃないのに、それ以上に絶対に開くことはないと感じた。
俺は大人だ。きっと物分りもかなり良い方だと思う。
言えないことは俺にだってあるし。
それは承知の上でそれでも良いと思って皆と付き合って来た。
俺は妙に謎めいた柊三兄弟が好きだし、でも皆正直者で、つまらない嘘は絶対言わないから。
だけど嘘がない分、隠し事が多い。だけど嘘がないから小出しにして来るんだ。
二人の顔を交互に見て俺は大きく息を吐いた。
ﾘｸ『俺に少しでも言いたいって気持ちがあるから、そうやっていつも小出しにするんだよね？』
違うと否定されたら、もうこの二人とやってけないかも知れない。
だってそうだろう？
俺は大好きだけど、大切だって言う割にはこの二人は俺に心を開いてくれてないことになる。
返事を待っていたらｲﾁ兄が『そうや』と短く答え、隣のｻﾌﾞも頷いた。
安心した。でも・・これは聞きたい。
ﾘｸ『二人は俺に心を開いてる？』
ｲﾁ『隠し事が多いからか？開いてるよ？俺は最後の一枚まで』
ｻﾌﾞ『俺も。俺が人とそんなに親しい関係にならへんの知ってるやろ？』
最後の一枚。それが鋼の扉か。
そこまで開いてくれてるなら充分。
俺はさ、ｲﾁ兄達が思ってるよりずっと二人のこと知ってんだよ。
ﾘｸ『俺知ってたよ？二人が俺の気持ちを知ってることも、俺の恋が実らないのを望んでることも』
俺がそれを知ってたのも、きっと二人は知ってたんだろう。
今の二人の申し訳なさそうな顔がそれを語っている。
ﾘｸ『俺は自分の意思でAの隣にいるんだ』
俺は今まで誰にも言わなかったことを二人に話した。
ｸｳへの劣等感。
Aに会って自分の居場所を見つけたこと。
どうして気持ちを伝えないことを選んだのか。
隣にいることが何よりも俺の幸せなんだって言うこと。
それから昔のことも全部。誰かに聞いて欲しかったことを全部話す。
ｸｳとAが付き合った時のこと。
あの時、良かったなって祝福したけど、本当は家で一人で泣いたんだ。
ﾘｸ『言ってもいい？』
二人が静かに頷く。
ﾘｸ『俺…、Aが好きだよ』
二人が言うところの“最後の一枚”を開いたら、自然に涙が出て来た。
ﾘｸ『違うから。これは辛いとかじゃないから・・・』
やっと…、自分の気持ちを言葉に、声に出来たのが嬉しいんだ。
・・・それが例えAにじゃなくても。
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SuHyun(プロフ) - 17完結おめでとうございます☆ シウさん、気になりますね……。次章も楽しみに読みます！ (2012年7月10日 13時) (
レス) id: b608d0c232 (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - ＞かのかｵﾝﾆ☆ わーん！お久しぶりです！作者、ｵﾝﾆに見捨てられたのかと少し不安でした(TдT)良かったぁ♪ 寝るの早かっただけなんですね！良かったぁ(T ^ T) (2012年7月9日 22時) (レス) id: 4f9c643c3b (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - ＞テムさん☆ ありがとうございます♪ テムさんも願いを叶えて…(T ^ T)☆ 作者、感動しております！これでまた、18でも頑張れます！ (2012年7月8日 23時) (レス) id: 4f9c643c3b (このIDを非表示/違反報告)
ﾓｼﾞｮ(プロフ) - ＞maruさん☆ わー！作者の願い事叶えてくれるんですね！？作者、七夕の願いが叶うの初めてです(≧w≦)♪ ありがとうございます！嬉しいです♪ (2012年7月8日 23時) (レス) id: 4f9c643c3b (このIDを非表示/違反報告)
テム(プロフ) - １７完結おめでとうございます!!あ、わたしもﾓｼﾞｮさんの願いを叶えちゃいますよ(ﾉ∀`)続き楽しみにしています( ´ ▽ ` )ﾉ (2012年7月8日 18時) (レス) id: b396880c2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾓｼﾞｮ
| 作成日時：2012年6月17日 22時
