魔法を使えない魔法使いが、魔法に勝つたった1つの方法。【ハリポタ】 (ページ44)

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話題の強盗事件ページ44

ｾﾌﾞ「…何の用かね。
礼儀のなっていない日本のスクイブは部屋に入るときにノックするという作法を知らないようだ。
出て行け。我輩のことなど諦めろ。
お前にリリーに向けた感情と同じ想いを寄せることは絶対にない。」

布団を被ったまま、スネイプ先生はスラスラと嫌味を言った。

俺はベッドの端に座って、その膨らみに話し掛ける。

『まだ、キスマークを付けて貰ってません。』

スネイプ先生は一層身を固くした。その布団に包まって俺を見ようとはしなかった。

スネイプ先生が今どんな表情をしているのか、分からない。

ｾﾌﾞ「聞こえなかったかね？
我輩は、お前を生徒としてしか見ないと言ったのだ。」

自棄になった口調から、きっと俺のことを怒っているんだろうと予想する。

『それで結構です。』

俺ははっきりと告げた。

俺を愛してくれなくていいと。

その言葉に、布団の膨らみが反応した。

ｾﾌﾞ「…頭でも湧いたかね。それにいったい何の意味があると言うのだ。
お前の望みは我輩がお前と同じ想いを抱くことだろう。」

困惑する声色で、皮肉たっぷりの言葉が返された。

そういうところも、俺はやっぱり好きで、可愛いとさえ思う。

俺はゆっくりと言葉を紡いだ。

布団の中のスネイプ先生が、自分でその布団を退けてくれるのを望んだ。

俺の瞳に映って、俺を瞳に映してほしい。

『そう、望んでいました。
でも、もういいんです。
スネイプ先生には、その女性を愛しているという感情を大切にしてほしいと思うんです。
きっと、今その女性と結婚していないのは彼女が同じ気持ちではなかったからでしょう。
それでも返されない愛を今もその人に送り続けるのは、とても辛いと思うんです。』

スネイプ先生は、布団から目だけ出して俺を見た。

その瞳には涙が滲んでいるように見えた。

いや、それは俺が泣きそうになっているからかな。視界が涙で歪む。

きっと、そうだね。

『今まで誰かを愛すことばかりだったスネイプ先生は、俺に一生愛されて下さい。
俺を愛さなくてもいいんです。俺を見なくてもいいんです。
ただ、俺の目にはいつでもど真ん中に映っていてください。』

頬を伝う涙は、俺の心臓から出たのかもしれない。

今までないくらいに熱いんだ。

眼球が蕩けてしまいそうだ。

ｸﾞｲｯ

ﾎﾞｽﾝｯ

スネイプ先生は、俺の腕を引っ張って布団に引きずり込んだ。

布団から伝わる温もりと薬品の匂いで、俺の涙はもっと大粒になった。