魔法を使えない魔法使いが、魔法に勝つたった1つの方法。【ハリポタ】 (ページ42)

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話題の強盗事件ページ42

グリフィンドール寮の俺の部屋に久しぶりに戻った。

タンスにある適当な服に着替えて、大広間に向った。

いつもの端っこの席にネビルが座って朝食を食べていた。

俺はネビルの隣に座って、いつも通りの笑顔に見えるように表情を作った。

『ネビル、おはよう！』

ﾈﾋﾞ「おはｙ……A？」

俺は、今朝のことを感づかれないように脳天気そうに返事をした。

空返事だっただろう。

俺は黙々とサラダを胃に詰め込み、水で流し込んだ。

ネビルは俺の異変に気付いたようだが、気を取り直して話し始めた。

ﾈﾋﾞ「A、今朝の新聞見た？
前に銀行で強盗事件があったでしょ？盗まれたものが分かったって。
賢者の石らしいよ。」

『へぇ』

ﾈﾋﾞ「例のあの人がその石を狙ってるらしい。
なんでも、その石には魔力が宿っていて。
飲むと不老不死になるとか、金属を黄金に変えるとか…。」

『ふぅん』

ﾈﾋﾞ「でも、どんな石なんだろうね？きっと綺麗なんだろうなぁ…」

『うん』

ﾈﾋﾞ「…スネイプ先生のほうが何十倍も綺麗だ、とか言わないの？
てっきり今日も朝から惚気を聞かされるのかと思ってたよ。
休日なのにスネイプ先生の部屋から出て大広間に来たから、昨日のお茶会での惚気かと。」

ネビルはなんでもないように飲み物を飲みながら言った。

『え、う、うん、そりゃぁもちろん！スネイプ先生が＿＿＿＿＿』

ポタっ

ポタ…

涙が溢れてこぼれ落ちた。

傍にいたグリフィンドール生は突然泣き出した俺を見て、ぎょっとしていた。

ハリーが大広間にいなくてよかった。きっと賢者の石とかについて調べているんだろうな。

今は、ハリーの目を見たくない。あの、綺麗なエメラルドの。

今もスネイプ先生が愛し続けている、その瞳の女性を想像したくない。

ﾈﾋﾞ「スネイプ先生の名前を言った途端に泣き出すなんて、何かあったんだね？」

俺は何も言わずに黙っていた

後ろの教員席にはスネイプ先生がいるんだよね。きっと

ﾈﾋﾞ「その沈黙は、肯定ととるよ
僕に話せない？」

ネビルは、教員席を確認しながら言った。

いつもの優しいネビルが、黙っている俺の手を引いて大広間を出た。

向った先は、例のベンチだった。仲直りした時のベンチ。

そこに俺を座らせて、ネビルも隣に座った。

『…失恋した。』

俺は泣いて、鼻水でグチャグチャになりながら言った。

ﾈﾋﾞ「じゃあ、僕にしとかない？」

思ってもみなかった言葉が聞こえた。