魔法を使えない魔法使いが、魔法に勝つたった1つの方法。【ハリポタ】 (ページ28)

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ターバンとのお茶会ページ28

バラバラになった本から、鮮血が流れてきていた。

力一杯に8等分に破り捨てた気に入らない本。

クィレル先生の意識は無くなっていて、代わりにターバンが息も絶え絶えに言葉を話した。

ﾀｰﾊﾞﾝ「っ…くそっ…よくも、よくも小僧ッッッ！
スクイブのくせにｯ…なぜ…＿＿＿＿＿」

『スネイプ先生が俺の全てだからです。会えなくなるのは、…辛い。
悪いけど、そんな本を野放しになんてできないです。』

ターバンの中の謎の生物？が怒鳴り散らしていたが、息絶えたようだった。

いや、そんなことよりもスネイプ先生に会えなくなる可能性はなくなったらしいから

万事解決じゃん。

スネイプ先生が俺の前から居なくなるとか、死活問題だよ。まったく。

俺は紅茶を飲み干して、静かにその場を去った。

勿論、近くのベンチに意識の無いクィレル先生を座らせておくことも忘れずに。

『紅茶、ごちそうさまでした。』

俺は一言言って、スネイプ先生の部屋へ歩いた。

ガチャッ

『スネイプせんせーっ！片付け終わりましたよ！』

部屋にスネイプ先生はいなかった。

『…せんせ？……いないんですか？』

部屋に入ってみても、スネイプ先生の姿は見えない。

一抹の不安が過ぎった。

まさか、＿＿＿＿＿このままスネイプ先生と会えないんじゃ＿＿＿＿＿＿

確かに、黒革の本はこの手で破壊した。

破壊した跡の残骸としゃべるターバンは不可解だったけど、魔法界なら何でもありかなと思っていた。

スネイプ先生が俺の目の前から消えるなんて許せない。その根源の一切を破壊してやる。

その異常なまでの感情に、魔法が使えないことを問題視する自分はいなかった。

『スネイプせんせ……スネイプ先生っ！』

しかし、今はスネイプ先生がちゃんといるか確認したくて仕方が無かった。

ガチャ

ｾﾌﾞ「騒々しい。それほど呼ばれなくとも聞こえている。」

腕を組みながら、不機嫌そうに俺を見るスネイプ先生。

『…よかったっ……ちゃんと、いる………』

俺はドアの傍に立っているスネイプ先生の細い腰に抱きついた。

薬品の匂いがする。

それと、ちょっとだけスネイプ先生特有の甘い香りも。

涙が溢れて、スネイプ先生のローブを濡らした。

ｾﾌﾞ「…なぜ泣くのだ。魔法薬を片付け終えた後、何があったのだ」

頭の上からいつもの格好良い声が聞こえる。

何でも良い。何があってもいいから、スネイプ先生が俺の腕の中に居ればそれでいい。