魔法を使えない魔法使いが、魔法に勝つたった1つの方法。【ハリポタ】 (ページ26)

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ターバンとのお茶会ページ26

図書館は静かだった。

廊下を歩くと聞こえる陰口も、異質なものでも見るかのような視線もなかった。

魔法薬を片付けた俺は、すぐに図書館に向った。

“スクイブとは？”

普段は温厚で優しいネビルが瞳を失望の色に染めて、俺に怒鳴り散らした理由は？

それは、はたして魔法が使えないという理由だけに留まるんだろうか？

それを調べるために、禁書棚に手を通わしている。

スネイプ先生が言うように、スクイブはホグワーツでは通用しないのだろう。

だからまずは、魔法使いにあってスクイブにないものを調べる。

それから、補う対策と魔法使いより優れている点を考える必要がある。

暫く探していると、題名の書いてない黒い本を見つけた。

革製の黒い本は、一見すると手帳みたいだった。

『…う、届かない……』

背伸びして、あと少しのところで届かない位置にあった。

禁書棚と言われるこの場所で、誰かに取って貰うわけにもいかない。

なんで魔法界の種族についての本が禁書なのか謎だけど。

ｸｨ「あ、ぁあのっ…ｍ、Mr.コトブキ……こ、ここはきき禁書の……」

俺の背後にターバンを巻いた先生がいた。

気の小さそうな先生で、いつもオドオドしているターバン教師。

名前が思い出せないのが申し訳ない。

『えっと、…ターバン先生、それ取ってくれませんか？届かなくて。』

しかし、良いところに来てくれた。

ターバン先生の注意をスルーして、本を取ってくれと頼んだ。

ｸｨ「…た、たーばん……」

ターバン先生は渋々本を取ってくれた。

『ありがとうございます。』

ｸｨ「………な、なんのために、こ、これを？」

『スクイブについて調べたいんです。
題名が書いていない本だったので、気になってしまって。』

ターバン先生は目を見開いて、その本を渡そうとはしなかった。

ｸｨ「こ、これには、ス、スクイブについて書かれていません。」

つまり、見るなと言いたいのだろう。

気になる。

好奇心は猫を殺す、とは言うものの気になってしまうのもまた人の性だ。

スネイプ先生だったら絶対に譲ってもらえないだろうけど、このターバン先生は譲ってくれるかもしれない。

生徒に怒らなそうだ。

『そうなんですか、残念です。
あぁでも、その本に興味が湧いてきました。よかったら、一緒に見てみませんか？
先生が一緒に見るのだったら、禁書でも読めるでしょう？』

その黒革の本が気になって仕方無い。

隠されれば隠されるほどに。