魔法を使えない魔法使いが、魔法に勝つたった1つの方法。【ハリポタ】 (ページ22)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:96,650 hit

魔法の授業ページ22

朝食を食べ終わって、休憩を挟んだら

ホグワーツではすぐに授業が始まった。

ﾏｸ「変身術は、ホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険なものの1つです。」

マクゴナガル先生は、スラスラと授業におけるオリエンテーションを話した。

机を豚にかえるお手本を見せて貰った。

…俺にできる気がしない。なにせ、俺は杖すら持っていない。

次いで、マッチが配られたかと思うと、それを針に変えろと言い出した。

マッチはマッチで、針ではないのに。

そもそも材料から違う。マッチは木製で、針は金属製だ。

俺はマッチを眺めて、呆然とした。

そうしている間に、ハーマイオニーは完璧に成功させた。

先生と皆に賞賛を浴びる彼女を眺めながら、俺はメモ帳と鉛筆を取り出してスケッチをしておいた。

ハーマイオニーが杖を振って、マッチを針に変えた時の絵。

杖から淡い光が出た。

もっと言うと、杖の先端からだ。

ﾈﾋﾞ「難しいね、A
…それ、何描いてるの？」

『魔法の発動条件は何かなって思って。
魔法が発動した瞬間の杖を描いてる。』

ﾈﾋﾞ「うわ、すごい上手！
Aもやってみてよ！杖振ってさ」

ネビルはキラキラした期待に満ちた瞳で、俺を見ていた。

絵は描けるが、魔法は無理だぞ。

まぁ、でも…杖と魔法の関係を解明すれば俺でも使える魔法に類似した何かがあるかもしれない。

魔法の授業は、魔法を解明するために受けよう。

魔法を習得するためではなく、まほうに変わる…いや、魔法を上回る何かを見つけられるように。

俺は、はっきりとネビルに言った。

『あぁ、俺はスクイブだから魔法は使えないんだ。この通り、杖もない。』

ネビルは絶句していた。

他のグリフィンドール生は、なにやらヒソヒソと話し始めた。

『えっ、なに？俺、何かマズいこと言った？』

何が原因で空気が冷えているのか、まったく分からなかった。

ﾏｸ「Mr.コトブキ…、……少し、残りなさい。
他の皆さんは次の授業へ。今日はここまでです。」

マクゴナガル先生は、なにか思い詰めたような表情だった。

ネビルは俺から目を反らして、教室から出て行く時に大きな声で言った。

ﾈﾋﾞ「A、君は僕と違って堂々としているから期待してたのにっ！
きっと凄い魔法を使えるんだろうって！日本の魔法とかも楽しみにしてたのに…
がっかりだよ！」

他の生徒も、俺を冷たい眼差しで見ては教室を出て行った。