魔法を使えない魔法使いが、魔法に勝つたった1つの方法。【ハリポタ】 (ページ12)

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入学式ページ12

ｾﾌﾞ「いつまで寝ている」

『ん～…』

その日は、いつもより早く起こされた。

一時間も早くだ。

ｾﾌﾞ「入学式に遅刻するつもりか
よほど我輩の大釜で茹でられたいと見える。」

『ふあぁ…おはよ、スネイプせんせー』

いつも朝はこんなかんじだが、今日のスネイプ先生は一断と機嫌が悪い。

今日…なにかあったっけ？あぁ、そうだ。入学式。

『ねむ…。入学式は何時からですか？』

ｾﾌﾞ「昼時だ。お前は汽車に乗ってこい。ホームまで連れて行ってやる。」

俺は、着替えるスネイプ先生を凝視する。

この1週間、朝の習慣になってしまっている。

『友達作りですね？』

ｾﾌﾞ「そうだ。お前なら大丈夫だろう。」

スネイプ先生の病的に白い肌が朝日に照らされて光る。

細い腰と、足と、腕

鎖骨が彫刻のようだ。

『そうだといいですが。
あ、俺の制服はどこですか？』

ｾﾌﾞ「これだ。」

スネイプ先生の部屋に居候になって、もう1週間だ。

朝には起こして貰って、着替えを鑑賞させて貰って

昼まで魔法薬学

夜には魔法界の常識

深夜に一緒のベッドで寝かせてもらった。

この生活が至福の時になっていた。

これが明日からはなくなるのか…。かなり残念だ。

俺は、もたもたと制服に着替える。

スネイプ先生は、キチッと第一ボタンまで締めて着替えが終わっていた。

嗚呼、これも残念だ。

小学生にしてこの趣味は些か問題があるかもしれない…と自覚はしている。

もはや、スネイプ先生がいない部屋で過ごすと発作が起きるかもしれないとまで思う。

俺は、この病を“スネイプ先生病”と名付けよう。

一度スネイプ先生の魅力に気付いた者は、きっと一生逃れられない。恋の病より重症だ。

『…できました。』

ｾﾌﾞ「・・・上出来とは言いがたいですな。」

いつも通り、評価は辛辣だ。

スネイプ先生は、俺のネクタイを結び治し、魔法で寝癖を整えてくれた。

ｾﾌﾞ「明日からは自分でやるのだ。できなくてどうする」

『毎朝、スネイプ先生の部屋に行きます。』

ｾﾌﾞ「馬鹿者
来るな。我輩はお前の親ではない。」

『そうですね。将来の嫁です。』

ｾﾌﾞ「…この1週間で随分な変わり様だ。
ここまで変人に育つとは…。教育を誤ったか」

『責任取って、俺を婿に貰ってくださいよ。』

ｾﾌﾞ「黙れ。お前の友になる奴に同情を覚える。」

悪態つきながらも、ちゃんと俺を抱き占めて駅まで瞬間移動を披露してくれるスネイプ先生に乾杯だ。