【あんスタ】やまない雨などないのです。【裏切り】

独り ページ12

in廊下 天祥院英智side

「あんずちゃん」
「…天祥院先輩」

廊下を一人で歩くあんずちゃんを見かけて、声をかけた。
いつもはTrickstarの面々と行動してるはず。それが、今日は一人。

「移動教室かい？今日は一人なんだね。……何かあった？」
「…何も、ないですよ…」

木ノ下あんずという人間は、一言で言うと毒舌である。

だから、いつも話かけると何かと毒を吐いてくるあんずちゃんが。『何もない』なんて＿

本当に、あの転校生は何を考えているんだろうね。

「藤堂さん絡み、かな？」
「……なんで…それをっ!?」

驚いたように顔を上げる。なんでって、君の事が大好きな女王様がやられたんだもの。そう疑うのも当然だ。

「Aちゃんと藤堂さんが色々あってね。」
「A先輩が…?」
「何があったか、話してくれないかな?」

そういうと、あんずちゃんは涙をこぼしながら言ったんだ。



＿藤堂さんに、言われたんです。
＿最初から貴方なんか大嫌いだったって、
＿Trickstarの衣装を切り裂かれて。
＿私がやったって、言われて。
＿Trickstarも、みんなも



＿ぐちゃぐちゃになっちゃったんですよ



＿全部。

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