【文豪ストレイドッグス】終わり無き今を。[短編集] (ページ5)

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【中太】『紅白』(薆様リク) ページ5

「…ただの変態じゃん、私」

はあ、とため息をつくのは純白のドレスに身を包む太宰治。

今回、武装探偵社とポートマフィアの二つの組織が狙う人物が同じだったため手を組む事に。
相手は女好きのオヤジ。

そのオヤジの趣味と言えば太宰の女装姿にぴったしだったのだ。

「んー…」

そう言えば、と太宰は少し昔のことを思い出す。

昔似たようなことがあり、その時も女装をさせられた。
だが、そこは中也も女装をしていたので大笑いしてた覚えがある。

「…真っ赤なドレス」
「手前ぇみたいに腹ん中は真っ黒な奴が真っ白なドレス着るよりマシだろうが」
「えー…。私は真っ白の方が好きだよ？」

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「…んー…そのあと中也なんて言ったっけ…？」

うんうん、と唸っている太宰。

「…何で私中也のことでこんな時間使ってるんだろ…うわぁ…やめやめ…」

ふぅ、とため息をついた時後ろに誰か立つ気配があった。

「お嬢さん」

ーー来た。

「はい？」
「いえね、俺と一曲、踊っていただけませんか」
「…喜んで」

今回の敵は捕まえることが目的ではない。
ポートマフィアにとっては殺さなければならない相手なのだ。

(…あとは任せて良いんだよね)

太宰はひきつけるだけ。
…あとはポートマフィアの仕事だ。

…数分後にはここは地の海と化しているだろう。

「あーあ…」
「…」
「ほかの皆は？」
「帰った」
「あ、そう」
「にしても滑稽だな」
「…お姫様だよ」
「ふーん？」

あれ、と太宰は首を傾げる。
ふざけんな、と一蹴りされて終わると思ったのに。

「…なに」
「そんじゃあ…お手をどうぞ、お姫様？」
「…はっ？」

す、と出された手を見つめながら太宰。

「…なに」
「一曲どうですか」
「…無音だけど？」
「それでも踊れんだろ？」
「…そうだね」

その手を取りながら笑いかける。

「…中也の趣味は真っ赤なドレスだっけ？」
「…んなこと覚えてたのか」
「うん」
「…純白に散った赤い花も嫌いじゃねえ」

血で彩られたそのドレスは会場の天井が崩れ、夜空が見えているその世界に映えた。

「…ま…いいや」

中也が出している右手に自身の左手を乗せ二人は踊り出す。

死体の森の中で踊る二人は互いに微笑んでいた。

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閲覧ありがとうございました！

いやー…一体何ヶ月待たせたのやら…。
薆様、本当にすみませんでした！

リクエスト、本当にありがとうございました！