winter rose (ページ7)

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Yuta 1 ページ7

何もなくなったこの部屋は少し寂しげ。

壁にもたれながら座って二人で窓から見える空を見上げていたら

日は沈み始めた。

『ユタはさ〜日本から韓国に来るときどんなだった？』

「どんな〜？うーん、不安、心配、だけどそれを上回るドキドキ…かなぁ」

『ふむふむ、私も今そんな感じ〜』

「うん、その気持ちすごくわかる。わかるけど…」

『ユタ…私ね、ユタに出会って、日本に興味を持ったの。日本で日本のこと学びたいって思えたの。』

「全部、わかってる…んだけどさ…胸の奥はそう簡単にいかないんだよな…」

『ユタに出会って夢を持つことの大切さとか、それを叶えるために努力し続けることがどんなにすごいことかわかったんだよ。すごく感謝してる。』

「A、最近俺にお礼言ってばっかりだな」

『本当にそうなんだもん』

「…明日だな」

『韓国と日本なんて、2時間ちょっとだよ？会おうと思えばすぐ会えるよ』

「帰ってくる予定なんてないくせに」

『あ、バレた？』

「そんな気がした」

『自分が納得するまでトコトンやり尽くしたい。ユタに会いたい日なんて数え切れないほどあるだろうけど、一人で頑張ることも大切でしょ？』

「うん…」

そこで一度切れる会話。

静寂な時間は淡々と過ぎてゆく。

『ユタ〜！』

不意に抱きついて胸に顔を埋める。

ウワッという驚いた声をあげながら、それでも受け入れる。

「何？」

そう言うとこちらを見上げて笑いかけてくる彼女。

『笑って』

「明日ならいいよ」

『やだ、今』

「無理」

『愛しの人がお願いしてるんだよ？』

「自分で言うかよ」

『わかったよー、明日ね。明日は笑ってよ？』

最近はこんな話を何回も繰り返す。

俺が何か言おうとしても、それを遮るように話してくるし

静かになっても、俺も俺で話せないでいた。

だけど、もうリミットは明日に迫っている。

「うん…だからさ、俺の話聞いてくれよ」