winter rose (ページ5)

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JH 5 ページ5

『説明をお願いします』

「別にいい」

『いやよくない、てか今のキスは何』

「は？」

『私は気持ちを伝えたけど、ジェヒョナは何も言ってない。それなのにキスって何？私を傷つけたいの？』

はぁぁ…。
とこれまた大きいため息をつくジェヒョン。

「俺も、好き」

『…本当に？』

「本当」

『い、いつから？』

「今それ必要？」

『必要！聞きたい！』

「あとでな」

反論しようと口を開けた瞬間

上から降ってきた唇。

私にはそれは願ったり叶ったりなわけで

拒否なんてできるわけない。

ましてや思いが通じたこともあって色々と疑問は残っていても

現実がその思考を止める。

溶けるような甘いキスに脳が痺れて、立てなくなる。

『じぇ…ひょなぁ』

「うるさい」

冷たい言葉の裏で腰をちゃんと支えてくれるジェヒョンの優しさに酔ってしまう。

ゆっくり唇が離れる間、絡み続ける目線。

「好きだよ」

『私も、好きだよ』

「だから遅い」

甘い時間はここまでー！とでも言うようにガラリと変わる二人の間の雰囲気。

『いやだからその遅いとか長いとか何なの？』

「思い出すまで、内緒」

『ヒント！ヒント！！』

「お腹空いた」

『あ、チキンならあるよ』

「食べる」

そう言って私をパッと離してリビングにズカズカ入っていくジェヒョン

『え？待って？色々と質問があるんだけど？』

「何この肉まんの切れ端」

『あー、それはちょっとしょっぱいからやめてお…ってうぁぁぁぁ！！』

やめときなって言おうとしたらパクっと食べたジェヒョン

「あ、生地だけだ。無味〜」

そう言いながらチキンに手を付け始める。
申告したら怒られそうだから黙っておこう。

「食べないの？」

『食べるけど…』

「あそ。いただきます」

『なんだろ、腑に落ちない…』

「へ〜」

『え、想い伝わったんだよね？』

「うん」

『感動少なくないですか？』

「俺らっぽくない？」

『う、うん？そうか、も？』

「早く食べろよ、無くなるぞ」

『え？それは困る』

「いつも思ってるんだけどさ」

『ん？』

「なんで隣に座らないの？」

『は？！』

「はい、ここ来いよ」

そう言って自分の席の隣の椅子を叩くジェヒョン。

甘い雰囲気は0で、本当に両想いなのか、私の告白は現実なのか、わからないことだらけではあるけど

隣の席にストンと収まる。

『ずっとここに座りたかった』

「ずっと待ってたんだけどね」

そう言って私達はチキンの味のするキスをした。