winter rose (ページ30)

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DY 3週目ページ30

*Prologueからです*

『思うのだけど』

「え、A今週も帰らないの」

『月曜以外話せないのはなぜ』

「欲張りなってるよ」

『中毒みたいだ…』

「じゃあ、帰るね」

『つめた！』

じゃぁね〜と言いながら帰っていく親友氏の後ろ姿を見送り少し寂しい私は窓に凭れ掛かり目線だけ下駄箱の人達に送る

中には彼氏彼女とイチャイチャしてる人もいるわけで。

私にもそんなことができる日は来るのかな…なんて。泣けてくるよ…

そう思いながら耳だけは教室に傾けるが、今日はドヨンの声が聞こえない。
あれ？学校には来てたのに

教室内を見渡すが見当たらない。というか委員会の人が一人もいない。

時計を見ると17時15分を指していた。

『始まってる…のか？』

委員会が何時から始まるかなんて知らないけど、いないってことはそうなんだろうなって。

なんとなく。なんとなくだけど今日は来ないかなーなんて思って、ドヨンのこと知ってる女。を演じる。

今日も目標のじゃぁねは言えず…か。

待って…？会話すらなし…？

まぁそんな日もあるよね。多くは求めない、多くは求めない。

ｶﾞﾗｯ

「あれ？また残ってんの？」

振り返るとそこにはドヨンが教室のドアのとこに立っていた。

『…うん』

「また人だかり見てんの？」

呆れるように私のことを見るドヨン。

『まぁね…ドヨンは…どしたの？』

「また資料忘れちゃって」

そう言いながら自分の机の中を探している。

『そっか…』

「もう帰んなよ、暗くなるよ？」

『うん、ありがとう』

「あれぇ〜資料ないよ〜」

『見つからないの？』

「ここに入れてたはずなんだけど」

『ロッカーに入ってたりしないの？』

「うー…ん」

『ロッカー開けるよ？』

「んー…」

ガサガサと机の中をまだ探してるドヨン。

『…これじゃないの？』

「え！」

『すぐに出てきたんですけど』

「うわぁー！ありがとう」

『はーい。じゃぁね』

「うん、じゃぁね。気をつけて帰んなよ」

ドアが閉まった瞬間プチッと切れた緊張。

じゃぁねと言う彼の笑顔が脳裏から離れない。

やっぱりもう少し話したかったと思う。

またドキドキして、やっぱり少し苦しい。

けど今はそれが嫌じゃない。

楽しい。

好き。スキ。すき。

ほんとにおかしくなったのかななんて今の自分に私は笑ってしまった。