winter rose (ページ29)

今日:15 hit、昨日:2 hit、合計:28,667 hit

DY 2週目ページ29

「え？まじで言ってんの？」

『まじです』

若干引き気味の親友の目は無視して机に突っ伏す。

「先週のはたまたま。しかもあんたやらかしまくったんでしょ？」

『そうだけど…期待の心が疼いてて』

「先週を思い出せ。火曜から金曜まで一回も関わらなかったじゃん」

『う、うるさい』

「ましてや、名前さえ覚えられてない可能性あるんだよ？」

『たまたま呼ばなかっただけかもじゃん』

「そうだけど…」

呆れた。なんて聞こえたけど今の私には響かない。私は動かないぞ。

『先週、やらかしたって話ながらなんだかんだ楽しかったの。ドキドキしたの。そしたら欲が出てきちゃったの』

「ばか…多くは望まないんじゃなかったの」

『人間って醜いよね…』

「あんた今の別にかっこよくはないからね？」

『うるせぇやい』

「私帰るよ？」

『うん、じゃぁね』

今日もドヨンが委員会なのはチェック済み。

あ〜今日もかっこいいなぁ。なんておもっていたら

「A！暇だろ！」

気付くと目の前に担任が立っていた。

『…は？』

「これ、明日配らなきゃいけないプリントホチキスで止めといてくれ。学級委員は委員会あるからな。よろしく！」

まじかぁなんて思いながらプリントの山を眺めていたら今日も下駄箱の方から声が聞こえた。

じゃぁねって言葉が聞こえてハッとする。

今日のミッションは、ドヨンにじゃぁねって言うこと。話せたらだけど、ね。

教室も静かになってきてドヨンが友達にそろそろ行くかって言う言葉が聞こえる。

じゃ、私もそろそろ作業始めますかな！

「今日も残ってるの？」

『え…？』

ついさっき遠くで聞こえた声がすぐ近くで、私に向けられて聞こえる。

『ドヨン…？』

「大変だね、プリント」

『あー、なんか、下駄箱の人たち眺めてたら頼まれちゃった』

あ、焦って変なこと言った…

なんて思ってたらアハハってドヨンの笑い声

「やっぱ好きなの？下駄箱の人見るの」

『嫌いではないかな』

「変わってるね」

『そうかな』

「じゃあ、頑張って」

『ありがとう』

廊下に出て行くドヨンの後ろ姿を目で追う。

ドキドキして、なんだか少し苦しい。

ずっとドヨンが好きで、見てきて、でも、こんなこと初めてで、これは何なのかがわからない。

私はおかしくなったのかもしれない。

今すごく、ドヨンに触れてみたいと思った。

もっと、話したいと思った。