winter rose (ページ25)

今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:28,661 hit

JH2-2 ページ25

「買い物終わったし帰るか」

『う、うん』

予告にソワソワしてるのかちょっとぎこちないA。

それがなんだか可愛くていじらしい

「A」

『ん？！』

「手、繋ご。寒いし」

『お、おー！』

吹き出しそうになるのを堪える。

『うわ、雪降ってきた？！』

「ほんとだ」

『え〜！久しぶりな気がする。クリスマス以降初？』

「かもな」

クリスマスの日、

元カノと会っていたわけだけど、それは復縁したからではなかった。

まず元カノという表記がおかしい。

なぜなら付き合ってなかったからだ。

Aが勝手に妄想して付き合ってるなんて言うから。

それがみんなにも広まっていってそんな感じに言われてただけで、俺らは二人で遊んだことも手を繋いだこともキスもない。

周りには否定していたがAの反応が面白くて否定しなかっただけ。

なぜ25日に会ったかというと、

そろそろ彼氏を作りたいから早くAにウソだと言ってほしいという申し出が元カノ(仮)からあったから最後に少しお願いしただけだった。

嫉妬してくれるかななんていう思いは誰にでもあるわけで、少しの好奇心が働いた。

事は思わぬ方向に進んで結局俺の嫉妬焦燥
が働いてあんなことになったのだけど。

『あ、』

「ん？」

気付くともうAの家に着いていた。

『家…着いた…し、じゃ、あね』

「ん」

『え？』

「何？」

いや、あの、なんて言ってアタフタしてる。

いじめ過ぎたかなぁ

『あの…じゃあ、バイバイ』

「A」

『はい！』

「キスしてない」

『あ、します？か？』

「うん、して」

ええ？！と驚いた声が聞こえたけど無視して目を閉じる。

沈黙になってまだかなぁなんて思って少し目を開けようとした瞬間

当たるだけのキス。

『えへへ、初めて私からしたかも』

なんて伏し目がちに言うから

「ほんと、たまんないなぁ」

グイッと今よりもAを近づけてもう一度愛おしい唇にキスをする。

『ジェ変態だ』

「ジェヒョン」

『ジェヒョン変態だ』

「Aに限るけどな」

『なっに言ってっ！！！』

カァァッと真っ赤になっていく顔がやはり俺には愛おしい。

きっと俺らはこんな風におじいさんおばあさんになっても一緒にいる。
それ以外の幸せはきっと見当たらない。

んふふと笑う君が好き
すぐ照れる君が好き
好きなんて文字には収まらない。

だからきっとこの言葉が正しい。

「A」

『ん？』

何度だって君に伝えたい言葉

「愛してるよ」