winter rose (ページ14)

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MK 4 ページ14

ｶﾞﾗｯ

「先輩」

見渡すといつも通りカウンターに座っている先輩。

『ほんとに来た』

「会いに来たよ」

『さっき会って話したじゃん』

「俺らって話すときは図書室の中だけだったもん。今まで」

『確かにそうだね』

「だからさっきは新鮮だった」

『あれだけで？』

「うん」

ポカポカした陽が暖かい。

サッカーが盛り上がってるのか、あいつらの声が遠くに聞こえる。

「ここは、静かだね」

『基本外で遊んでる人の声が聞こえるくらいだよ』

「俺の声も？」

『まぁ、そうなるね』

「んふふ」

『何笑ってるの』

「先輩、俺のこと見てたんだね」

『だから、そういう話は苦手なんだってば』

その言葉がこの前は嫌だったけど
今は俺の自信をメキメキと湧かせる。

だからここで言えば、かっこいい。なんて思っちゃった。

「先輩」

『できるだけ返事しないからね』

「好きだよ」

『…私先輩だよ？敬語は？』

「ちょっとー？これを無視はひどい」

『敬語じゃなきゃ、無視します』

「まさか、照れてるの？」

『うるさい』

「かわいい」

『うるさい…ちょ、なんでカウンターに入ろうとしてるの？』

「ん？だって近くに行きたいし」

『なんで！』

「だからー、好きだからじゃん？」

『な、に言ってっ…！』

「先輩は？」

『そんなこと急に言われても…』

「好きか嫌いか言えばいいだけじゃん？」

『嫌いじゃないけど…』

「じゃあ好き？」

なんだか尋問みたいだな。

けど先輩全く素直になってくれないし。

「先輩の好きな人は誰？」

『内緒』

「そこまで照れてるのに？」

『照れてない』

「先輩」

『なんでそんなに自信満々なの？』

「自分でもわかんない」

『マークは自分勝手だし、敬語使わないし、自信過剰だし、一人で突っ走るし』

「おーおー、悪口止まらないね」

流石に傷つくなぁ…笑

てか、告白したのほんとに無視されてる…？

すると

『ムカつく。けど、まぁ、その…一回しか言わないけど』

そう言った先輩の次の言葉を待つ。

そして、先輩は息をスーッと吸って顔を手で覆い言葉を放った。

『好き…か、も…』

自信あったのに、いざ言われると何も言えなくて

驚きすぎて声が出なかった

『…マーク？』

「え？あ、う、ん、ありがと」

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

「あ、授業始まる、じゃ、じゃあ！」

『え？！』

そうして自分がやらかしたことに気付くのは、教室のドアを閉めてからだった。