winter rose (ページ1)

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Jaehyun 1 ページ1

4人がけの机に向かい合わせで座りながら振り続ける雪を見つめ、ため息をつく。

『今年もやってくるねぇクリスマス』

「そうだね」

本を読む彼は然程興味がないのかこちらを向かずに気のない返事をする。

『絶対外出てやんない！あー、ジェヒョンはいいよなぁ〜彼女と過ごすんでしょ？』

「ん〜」

濁った返事に女の勘が働く

『え、違うの？』

「うーん、そんな感じかなぁ」

『別れたの？』

「別れて、また付き合った」

『同じ子？』

「そー」

『じゃあ彼女じゃん』

「どう思う？」

そこでようやく本を閉じて私と目を合わせるジェヒョン。

どうしてこんな時に私を見るかな。

『どう思うも何も、彼女、でしょ』

「ふーん」

『え、なにそのふーんは』

「別に」

そういって次はスマホをいじり始めた。

「25日、ここの向かい側のカフェに19時だってさ」

『私も彼氏ほしかった〜』

それきり黙ってまた本を読み始めるジェヒョン

わかっているのだ、ジェヒョンも。

私がジェヒョンを好きだということを。

だから今の話は、いいの？このままでいいの？っていう攻防戦。

「早く彼氏作れよ」

『好きな人なら、いる』

「その人と会わないの？」

『用事あるんだって』

「ふーん」

遠回しにジェヒョンのこと言ってるんだけど、知らないふりをされる。
これもいつものこと。

『…ジェヒョンは彼女のこと、好き？』

「んー」

『おーい』

「お前には関係ない」

『ひっど…』

「静かにして、本読んでるから」

私はすごく好きで、こうやって二人でコーヒーを飲む時間が大好きで、

だからこそ、こんな風に言われたら、落ち込む。

ムキになって帰りたくなる。

『私帰るね』

後悔するのは目に見えてるけど、口は止まらない。

「なんで？」

『もう暗くなってきたし』

「じゃあ俺も帰ろ」

『一人で、帰りたい』

さもあなたのことが嫌いとでも言うように突き放す。

私が一方的に好きなのが悔しくて、負けた気分になるのが嫌で。

「なにそれ」

鼻で笑って着かけた上着を脱いでまた本を読むジェヒョン。

どうして、そんなに余裕なの。

『じゃあね』

返事も聞かずに帰路につく。

悔しい。勝手に好きになっといて、なんだけど、悔しい。

こういう日の帰り道に私は強く誓う。

{もう会わない}