Black Stone (ページ8)

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｢失礼しまーす｣

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扉を開けて記者の方に笑顔で挨拶をする

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『モモさんおはようございます！今日はよろしくお願いします』

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｢こちらこそ、お願いします！｣

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『では早速ですが…モモさんの最近のご趣味なんかを教えていただけますか？』

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｢趣味か～…う～ん…｣

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読書？地味か。

ランニング？活発すぎ？

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｢映画鑑賞…ですかね…？最近は映画をよく見ます！｣

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どーか食いつかないで!

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映画なんて

自分が出演したものしか見てないから！

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だけどこうゆう時に限って

嫌な予感は的中する

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『最近みた映画で特に面白かった映画って何かあります？』

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いや映画とかしらないわ！！

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サスペンスとか見るけど

暴力的なシーン多いしな～

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あ、あれこの前再放してた…

なんだっけ…

あ、そうだ

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｢天使のカルテ…｣

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『天使のカルテ？あの、櫻井翔さん主演の映画ですか？』

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｢はい、そうです｣

『具体的にどの辺が面白いと思いましたか？』

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もう覚えてないよそんなこと！

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｢出演された方の演技がとても素晴らしくて、思わず涙が出てしまいました！原作の良さを踏まえつつ映画でしか出せない感動を上手く表現出来ていて素晴らしいと思いましたね｣

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といいつつ

私完璧じゃん？

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『なるほど～…櫻井さんの演技も素晴らしかったですもんね』

｢そうですね～｣

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『続いての質問ですが…モモさんの好きな男性のタイプをお伺いしたいな～と…』

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はいきましたこれ

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私のタイプなんか聞いてどうするのよ

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｢えぇっと…知的で、優しい爽やかな人がいいです！｣

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『なるほど～』

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その後の質問は

あまり返答に困るようなものではなかったので

いつも通りマニュアルどおりの答えを返した

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私はこの時

まだ気づいていなかつた

さっきの私の一言が

これからの私の人生を

大きく左右することに…

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