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#35 ページ37
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家に帰って
着ている服を脱ぎ捨てて
下着姿で昼前からビールを飲む
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私の至高のひとときのはずなのに
ビールが喉を通らない
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"モモちゃん、恋したことないでしょ？"
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櫻井さんの言葉が
脳裏を埋め尽くす
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「何言って…」
『あれ、違った？』
「…」
『ごめんね？変な事言って( 笑 )この歳で恋愛したことないなんて…んなわけねぇわな』
「はい…」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
そう返すのが精一杯だった
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でも
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思い返せば返すほど…
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私に"その"記憶はなかった
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私だって
男の人との経験は無くはない
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だけどそれは
愛のない無秩序な行為
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そう
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私がここまでこれた手段の一つ
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そこに愛はない
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あるのは汚い欲望と剥き出しの本能
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考えれば考えるほど
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惨めだ───────
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作者名：どぅなち | 作成日時：2016年4月17日 20時
