Psycho-2 (ページ49)

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今日は、デート４ページ49

「う、うそだろ…」

呆然とマシンに表示された数値を見つめる俺の横でAはきゃっきゃとはしゃいでいる

「まぁ私にかかればこんなもんよね！」
「分かった！Aお前ずるしたな？！な？そうなんだろ？！！」

認めたくない現実に俺がそうであってくれと頼むよう問いかけるも、Aはしらーっと「さ～ぁ？」と答えるだけで真偽は定かではなかった

元気になる方法③「泣ける映画を見る」(提案者、福田)

「次はこれだ！」
Aの手を引っ張て大衆娯楽施設の中の映画館を指さす
近頃話題になった某大物アーティストの半生を描いたその作品は福山おすすめの泣ける映画らしい
なんでも福山は3回観て3回とも泣いたとか

泣いてすっきりすればAも島崎のあほのことなんかさっさと忘れるだろう

「これね！私も気になってたの」
Aの反応も上々で掴みはばっちりだ
早速ポップコーンを買い並んで席に着いた。どうやらこの映画は最後のシーンから始まるタイプらしい…ふーん

ラスト21分、不覚にもAよりも俺が映画に引き込まれてしまった

(ショウ、空になったポップコーンのバケツに手突っ込んだまま泣いてる…)

元気になる方法④「運動」(提案者、槌屋)

(A俺とのデートのためにヒール履いてきてるからなぁ、これは却下だな)
「なによ、人の足元じろじろ見て…」

元気になる方法⑤「アニマルセラピー」(提案者、二階堂)

この発想はさすが獣医の卵といったところだろうか

「A知ってるか？！チョビってふわふわで気持ちいいんだぜ！」
アパートに帰って両手でチョビをAに向けて抱えながらそう言うと、Aは俺からチョビを受け取って
「そうよね、あったかいし」
とチョビを抱きしめ頬ずりした

(う、羨ましい……ｯｯｯ！！！！！！！！)

にこにこしながらチョビと戯れていたAが「そうだ」とこちらに顔を向けてお礼を言う

「今日はありがとう、ショウ
とっても楽しかったわ」

不意打ちで返事がワンテンポ遅れる

「…お、俺も楽しかったぜ！Aも元気になったみてえだし！」
「元気…」

思いつめた顔でAがつぶやく
また表情が曇ったAにやっちまった、となんとか取り繕おうと俺が言葉を発する前に突然俺をAが抱きしめる

そのままぎゅーっと力を加えるAの
「うん、ショウのおかげですっごく元気出たわ…ありがとう」
という言葉で俺の今日の頑張りは報われた

(し……幸せ…だ)