Psycho-2 (ページ39)

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さたでーないと8 ページ39

“いいのか？
そんないい男放っておいて"

“…じゃあ、またもう一度デートしてください”

霊幻さんと島崎さん、ふたりの発言を思い出す

(やっぱり…これってデートなのかしら)

今までタダ飯食べさせてあげたお礼だと思って、あまり気にせず誘われるがままついて来てしまったが

(服一式プレゼントだなんて普通の思い入れじゃないわよね…)

それに何よりも、島崎さん本人がデートだと言ったのだ

(もしかして霊幻さんに見られたのって不味かったんじゃ…
でも私と霊幻さんはそういう関係じゃないし、隠す方が変だわ

…難しいとこよね)

ビルから外へ出ると、まだ涼しい夜風が吹き抜ける

「寒くありませんか？」

「大丈夫です
むしろこれくらいがちょうど気持ちいいわ」

ふと見上げると、満月が控えめに空に浮かんでいる

(いくら何もしてないからって夜遅くまで男の人と一緒にいるなんて良くないわよね…
霊幻さんに変な後ろめたさ感じないうちに早く帰らないと)

その時、ほんの一瞬、すぐ横に並んで歩いていたため私の手が島崎さんの手を掠めた

「あ、ごめんなさい」

とにかくこれ以上は何もないように、と神経質になっていた私は素早く掠めた手を自分の胸元まで持ってくる

「…先ほどのボーイが気になりますか」

「！」

島崎さんは、ふぅ、とひとつ息を吐いて分からないとでも言いたげに続ける

「どうしてです、恋人というわけでもないでしょう
彼は私達の間に土足で踏み込んでくるような存在じゃないと思うのですが」

何か弁解しようとするも、今は何を言っても裏目に出そうなので口をつぐむ