Psycho-2 (ページ38)

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さたでーないと7 ページ38

「霊幻さんその髪型すごく似合ってますよ」

「あー、これか」

霊幻さんは頭を触りながら、あまり興味なさそうに答える

「Aもその格好似合ってるぞ」

「ほんとですか！？」

霊幻さんに褒められるとどうしようもなく嬉しくなり、勝手に口角が上がる

膝辺りのドレスの裾を少しつまめば、肌触りの良い生地の、サラサラした感触が指に伝わる

島崎さんに突然連れて行かれた服屋で、2時間近く店員さんの着せ替え人形になった甲斐があった

「気に入っていただけましたか？」

声のする方を見るといつの間にか島崎さんが私達と少し離れた場所に立っていた

(勝ち誇った顔しやがって…皮肉かよ)

笑顔の島崎さんとは対称に霊幻さんは眉間にシワを寄せる
何か不都合があったのだろうか

「用事とやらは済みましたか？」

「えぇ、もう大丈夫です」

待たせてすみません、と誤魔化す様に笑って島崎さんの元へ駆ける

「おいA、こけんなよ」

「わっ！？」

霊幻さんの忠告も虚しく、慣れないヒールのせいで少しバランスを崩しかける
が、咄嗟に差し出された島崎さんの手を掴んで事なきを得た

「Aさん、そんなに走ると転びますよ」

そのままその手に引っ張られて島崎さんの腕の中におさまる

「感謝してますけど…それ以前に近すぎます」

「おっと、失礼」

パッと島崎さんの両手が私の体から離れる

「じゃあ霊幻さん、また今度」

振り向いて手を振る

「…おう、またな」

柔らかい笑顔で霊幻さんが手を振り返す

「ではこれで」

島崎さんはその言葉と同時に私の肩を抱いて、空いた手で私と同じように霊幻さんに手を振る

「…」

ビシッ

途端に霊幻さんの笑顔がひきつり、表情が固まった

「もう、だから肩に手を回すのは…」

「いいじゃないですか、さっき助けてあげたお礼ってことで」

「全く…調子良いんだから」