Psycho-2 (ページ34)

今日:4 hit、昨日:19 hit、合計:67,306 hit

番外編:私を想ってください2 ページ34

「ちょっと待ってください！
冗談じゃないですよ！？」

律がいきなり声を張り上げて抗議してきた

「何よ～、私の計画に何か不満でも？」

「不満なんてもんじゃないですよ！
どうして僕が霊幻さんのためにケーキなんて作らないといけないんですか！？」

(やっぱり噛み付いてきたわね)

こんなこともあろうかと、対律用の作戦もばっちり用意してある

「ん」

いつぞやのメイド服を着た律の写真を律の目の前に突き出す

「な！？こ、これ…」

両手でその写真をわなわなと握りしめ、凝視する律の顔はどんどん赤くなっていく

「くっ…年増が…！」

「諦めろ、律
俺様も突然「消されたくなかったら今すぐ誰かに憑依してきて」って脅されて仕方なくここにいんだからよぉ」

「まー、脅しなんて失礼しちゃうわ

さ、ほら早く作り始めますよ
なんとしても今日中に作らないとダメですからね！」

パンパンと手を叩いて4人を催促した

「…ねぇ、モブ茂
もしかして塩と砂糖間違ってない？」

慌てて人指し指ですくった生地を口に含んだモブ茂が次の瞬間、ブッとそれを吐き出す

「すいません、間違えました…」

「いいのよ、それ捨ててもう一回作り直してくれれば」

「おい、なんか焦げ臭くねーか？」

「うわああああ！！！電子レンジの時間間違えたぁぁあああ！？！！」

そう芹沢さんが絶叫しながら行った先で、ガシャーンｯｯ！！と耳をふさぎたくなるような音が聞こえた

「Aさんすいませんすいませんすいません…」

頭に色々材料をかぶった芹沢さんが泣き出しそうな声で謝る

「怒ってないから、芹沢さん落ち着いて」

「あれ
なんかスポンジぷるぷるしてませんか、これ」

芹沢さんが電子レンジから出したスポンジを見ると、確かにスポンジがとても潤っている

「あ、すいません
牛乳を計測する時に計量カップの向こうにいた兄さんに気を取られてました」

(こんのガキ～～～…！)

「…いちごが減ってる」

皿の上に所狭しと置いてあったいちごが、微妙に減っていることに気付く

するとエクボが私の肩をぽんぽん叩いて

「まあまあ、嬢ちゃん
疲れた時には甘いもんだぜ」

と言いながらいちごに伸ばしたもう片方の手を、ぴしゃりと叩き落とす

「ぴったりしか買ってないからダメです！」

「けち」

「なんとでも言いなさい」