Psycho-2 (ページ32)

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さたでーないと5 ページ32

「じゃあ私が勝てば研修の後ショウをちゃんと学校に行かせてくださいね」

これは予想できなかった
ずいぶんと面倒くさいことを要求されたものだ、と思わず顔を歪める

「私が言っても行ってくれないと思うんですが…」

(というかそれってあの3人の仕事なんじゃ…)

毎朝抵抗するショウ君を力づくで押さえ込み、できるだけ人目の少ない学校とやらの近くに瞬間移動する
という生活を送るところまで想像してしまった

間違いなくそんな生活を続ければ生傷が絶えないだろう

「それくらい賭けないと面白くないじゃないですか」

Aさんが楽しそうに笑う声が聞こえる
確かにそうだ、賭けは賭け金が高いほど面白いのだ

「で、島崎さんは？」
「…じゃあ、またもう一度デートしてください」

そう言うとAさんは目をぱちくりさせながら「まあ、構いませんけど…」と呟くように承諾した

「約束ですよ」

Aさんの細い小指を自分の小指に絡める
少し力を加えれば折れそうな指だ

「…あの、島崎さんこれは？」

きょとんとした顔でAさんが私の顔と指切りの手を見比べながら聞く

「指切りですよ
いいですか、破れば針千本ですよ？」

笑いながらそう言うと、Aさんももう片方の手で口元を押さえて無邪気に笑う

「分かりました
じゃあ、指切りしましたからね！ちゃんと守ってくださいよ？」

口を少しとがらせ、私の顔をまじまじと見ながらそう言うと同時に、
Aさんはぎゅっと小指に力を入れた

それがまるで握った手を握り返されたようで、思わずにやけかけるところだった