Psycho-2 (ページ30)

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さたでーないと3 ページ30

(…霊幻さん？)

後ろ姿が霊幻さんそっくりのボーイがなにらや焦って厨房に入って行くのが見えた

髪はオールバックで整えられていて、いつもと違うが
背丈や体格から推測するにほぼ間違いなく霊幻さんだ

(何やってんのかしら、こんなところで)

渡されたメニューを見ながら考える

(まさかあまりにも生活がカツカツだからってバイト…？
霊とか相談所って詐欺のわりには相談料が善良だから仕方ないわよね)

そんなことをもんもんと考えていると、急に黙りこくった私を不審に思ったのだろう
向かい合わせに座っている島崎さんがいつもの笑みを浮かべて、

「何か考え事ですか」

と聞いてきた

「っ、えぇ、まあ…
そんな大したことじゃないんですけど」

島崎さんといるというのに、ついそちらにばかり気をとられていた
これじゃあせっかくここに連れて来てくれた島崎さんの好意を無下にしてしまう、と思った私は話を濁す

「その顔はずばり、男性のことですね」

テーブルの上で腕を組みながら、片手で私を指差して言う

「え…！？」

動揺して手に持っていたメニューを落としかけてしまった

霊幻さんといい、島崎さんといい、そんなに私って分かりやすいのだろうか

「妬けますねー
Aさん、せめて今晩だけでも私のことを考えてくれませんか」

「…はあ」

なんと言っていいかわからず、間の抜けた返事をしたのとほとんど同じタイミングでワインが運ばれてきた