Psycho-2 (ページ20)

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トラかウマかトラウマか 2 ページ20

「？
…どうしたんですか、島崎さん」

その質問には答えず、島崎は掴んでいたAの腕を離した後立ち上がり、ひとりで来ていた隣の席の客の男の元まで行く

「な、なんだよ、おま…」バシッ

男が言い終わらないうちにその男が手に持っていた携帯を取り上げる

男は一瞬何が起こったのか理解できなかった様だったが、すぐに怒気を含んだ声で「返せ！」と叫び、島崎から携帯を取り戻そうと試みる

しかし相手の行動を読める島崎に一般人が勝てるはずがなく、男の必死の反撃もむなしく取り上げられた携帯はあっけなく島崎から俺の手に渡された

「ショウ君、私には見えませんのでその携帯の写真を確認してください」
「え、ちょっと島崎さん！？」

突然の島崎の行動に驚いたAがあたふたしながらとりあえず状況説明を乞うかのように島崎の名前を呼ぶ

「返せよ！俺の携帯！！！！！」

そうだこいつの携帯に何かあるはずなのだ

そう思い男の携帯画面を見ると、撮影モードになっている

「…まさか」

案の定携帯のファイルを開くとそこは一面Aの盗撮画像で埋まっていた

カツーンｯ…

Aのいるところからも携帯の画面が見えたのだろう、Aが顔を真っ青にして持っていたボールペンを床に落とした音が店に響く

「違っ、俺じゃない！！俺じゃないんだよぉ！！！！！」
「あなたさっき俺の携帯を返せと言ったじゃないですか」

パニックで挙動不審になりながら穴だらけの嘘をつく男に島崎が冷静に詰め寄る

そうこうしているうちに他の客やメイドが騒ぎを聞きつけて集まってきた

「……っ！？
Aは見んじゃねぇ！！！！！」

慌てて携帯を閉じる

なぜなら盗撮画像はローアングルで撮ったものから中にはなぜかAが着替えてる最中の写真まであったからだ

男に対する怒りがふつふつと沸き上がってくる

(この野郎…)

怒りで震える拳をぎゅっと握りしめる

「てめぇ…

ぶっ殺す！！！！！」

男を殴ろうと、握りしめた拳を振り上げた瞬間のことだった

Aが突然俺の手首を掴んだため、俺の拳は男の顔面に届くことなくそこで止まった